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『シロクマと不明局』第2巻 あfろ 【日刊マンガガイド】

2015/05/28


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『シロクマと不明局』第2巻
あfろ 芳文社 \819+税
(2015年4月27日発売)


萌え4コマとは本来、描かれるものに「ゆるい」日常が多いというだけで、非常に難解なジャンルである。
日常系アニメとして映像化=アニメ制作陣による噛み砕いた解釈を経ることで、近年ようやくその読み方がいくぶん教育されつつあるが、作品自体はゆるさとは対極にある(ものが少なくない)ことに変わりはない。

『シロクマと不明局』は前作『月曜日の空飛ぶオレンジ。』につづき「まんがタイムきららミラク」で連載され、このたび完結した。高い画力で描き切った漫画家の名はあfろ。
そのあまりに特異な作風により、ひとつの極みを疾走する作家である。

「きららミラク」のキャッチコピーは「もっと自由に、4コマを。」だが、だとしても、あfろほどの自由さはさすがに想定していなかったのではないかと思う。

主人公の熊本チエコは本編1ページ目(扉)で高校の入学式に向かうも2ページ目の1コマ目には死亡し、煉獄へ落ちる。
そこで偶然、放送作家の樋口一葉、スイカ売りであり大型バイクに乗るマリー・アントワネット(幼女)と一緒に住むことになり、不明局で郵便配達の仕事を始めることになる――。

上記『シロクマと不明局』のあらすじに触れ、意味がわからないと言う正常な方も少なくないだろうが、『月曜日の空飛ぶオレンジ。』の読者であれば、これぞあfろワールドであるとうなずくことになるはずだ。

完結となるこの第2巻では、早足ながらもタイトルの意味まで含め、作中に散りばめられた謎におおよそ回答を差し出してはくれる(「萌え4コマがはじまるまでの物語」とでもいうべき秀逸な円環構造は、『魔法少女ほむら☆たむら』を経て生まれた発想とも読めるだろう)。
が、しかしやはり、その魅力を読み解き咀嚼できるかどうかには、読者のリテラシーが大きく問われてしまうこともまた確かだ。

であるからこそ、有効な補助線が待ち望まれる。
「まんがタイムきららフォワード」2015年7月号から開始した期待の新連載『ゆるキャン△』の今後とともに、あfろ作品のアニメ化に大いに期待したい。



<文・高瀬司>
批評ZINE「アニメルカ」「マンガルカ」主宰。ほかアニメ・マンガ論を「ユリイカ」などに寄稿。インタビュー企画では「Drawing with Wacom」などを担当。
Twitter:@ill_critique
「アニメルカ」

単行本情報

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