人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。
今回お話をうかがったのは幸田もも子先生!
現在大ヒット公開中の映画『ヒロイン失格』の作者・幸田もも子先生へのインタビュー第2弾です!
幼なじみに10年もの片想いをしている、特技は変顔(!?)な女子高生・はとり、はとりに想いを寄せられながらも、地味な女の子・安達に告白されてつきあうなど、優柔不断な態度をとる利太、はとりに興味津々のモテ男・弘光。
3人の恋のゆくえに爆笑&胸きゅん必至の学園ラブコメディ『ヒロイン失格』のキャラクターのモデルや、弘光の兄が登場する、現在「別冊マーガレット」に連載中の教師×生徒のラブコメディ『センセイ君主』についてたっぷりお話を聞かせていただきました。
『ヒロイン失格』は幸田先生の長〜い片思いの結晶だった
――監督さんは、まず『ヒロイン失格』をタイトルにひかれて手に取ったそうで。これが映画化のきっかけになったわけですね。
幸田 『ヒロイン失格』は初代の担当さんがつけたんです。最初はかわいくないタイトルだと思ったんですけど……。
――でも、この「ヒロイン」というキーワードは、作品のなかでもけっこう使われていますよね。
幸田 そうですね。どうせだからどんどん使っていこうと。
――そもそも、ご自身の経験をマンガにしようと思ったのはなぜですか?
幸田 私の人生、ほとんどの期間、利太のモデルになった幼なじみのことが好きだったんですよね。とはいえ、ほかに彼氏がいたりはして……そこが、はとりっぽいんですけど。ずっとその人が好きなくせに、告白されるとほかの人とつきあっちゃう。それでも、彼の存在はずっとあって。いつか絶対マンガ化して、映画化もされちゃうようなすごい話にしてやる、じゃなきゃ割が合わないくらいに思っていて(笑)。
――何年くらい片思いしてたんですか?
幸田 小学5年生から21歳くらいまで。
――うわっ、長いですね!
幸田 その幼なじみというのが、ホント、利太みたいにズルいやつなんですよ、思わせぶりな態度ばっかして。私の気持ちにはこたえてくれないのに、私が離れそうになるとグイッと引き戻す。ほかの男の子の前で、私のことを一番知ってるのはオレなんだぜみたいなアピールしてくるし。で、私もそれを心地いいと思っちゃうような負の連鎖から全然抜け出せない(笑)。
――でもまあ、めでたく回収できましたね(笑)。
幸田 今でも、彼と親交はあるんですよ。彼が結婚するときにウェルカムボードを描いてくれ、と残酷なことを頼まれて。結婚式ではスピーチもしたし、受付もやりましたからね。その打ち合わせで会ったとき、「じつはきみをモデルにしてマンガ描いたんだよ」って言ったんです。もう9巻くらいまで出てるころ。そしたら次の日に全巻買って読んだらしくて……「まんまじゃないかよ」ってメールきました(笑)。
――やってやりましたねぇ!!
幸田 やってやりましたとも! ……というわけで彼とは今でも仲よしです。
編集 考えてみれば、でっかいラブレターですね。
幸田 最初はロングラブレターのつもりで描いていたんですが、途中から「これは復讐だ!」みたいなモードになったり(笑)。