『センセイ君主』の弘光先生のモデルは元編集担当!?
――『センセイ君主』これからの見どころは?
幸田 主人公・さまるんがホントにおばかちゃんなので、一つひとつかみ砕いて成長していくために、試練をちょいちょい放り投げています。さまるんがない脳みそしぼって乗り越えたり、先生がカッコよく救ってくれたり、ときには先生が大人げないところを見せてすれ違ったり……そんなところでしょうか。
――先生に想いを寄せる強力なライバルが出てきたり、クラスメイトの虎竹がさまるんへの気持ちをあきらかにするなど、まさに今、波乱まっただなかですね!
編集 『センセイ君主』も『ヒロイン失格』同様、キャラクターが強い作品だと思います。
――さまるんのおばかちゃんならではの強さ、シンプルな疑問を直球でぶつけるところがすごく好きですね。ここが読者にも共感を呼ぶところではないでしょうか。
幸田 弘光先生は、前の担当さんがモデルになってるんです。というか、まんま私と前の担当さんのやりとりみたいな。編集さんとマンガを作っていく過程の関係性を、先生と生徒の恋愛に落としこんでみた、という感じ。ホントに私、前の担当さんに頭が上がらなくて。言われっぱなしで、言われては「なんでそんなこと言うんですか〜」って泣くと、「泣くの?ここで?」ってビックリされたり。そんなやりとりをマンガにしたらおもしろいかなと。
編集 ぼくは『センセイ君主』の途中から担当になったんですが……。
幸田 今の担当さんは私より若いので、私、ようやく先生側の気持ちがわかるようになったんですよ。今まではさまるん側の視点だけだったんですが。今の担当さんに変わってから、弘光先生が自由に描けるようになってきました。
編集 たしかに、巻を追うごとに弘光先生の内面がどんどん出てくるようになりましたね。
――カッコよくて冷静なだけじゃなく、ときにはやさしさを全面に出したり照れたり……弘光先生のそんなギャップをかわいく感じます。さまるんみたいなおバカちゃんな子も、弘光先生のように賢い人も、いろんな面を持っていますよね。
幸田 基本、私は人間のダメなところを描くのが好きなんで……そこがコメディ向きなんでしょうね。それを楽しく、笑い飛ばして描くのが好きです。読者さんが共感しながら、救われてくれたらいいなと思います。
――『ヒロイン失格』も『センセイ君主』も、主人公がダメながらに成長していく姿にグッとくるんですよね。では……最後に、読者にメッセージをお願いします!
幸田 映画『ヒロイン失格』、とってもおもしろいのでぜひ見てください! 原作を読んだことのない方も、映画をきっかけに読んでくれたらうれしいです。そして、連載中の『センセイ君主』もよろしくお願いいたします!
取材・構成:粟生こずえ