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『刻命のゴーレム』第2巻 bose 【日刊マンガガイド】

2015/12/27


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『刻命のゴーレム』


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『刻命のゴーレム』第2巻
bose 集英社 ¥550+税
(2015年12月18日発売)


「進化した科学は魔法と見分けがつかない」と言う言葉がある。
その逆で「進化した魔法は科学と見分けがつかない」のがこのマンガ。
術式によって創りだされたゴーレムが一般化している、19世紀ロンドンを描いた、スチーム・パンクならぬ、ゴーレム・パンクだ。

ヒロインのアシュリー・オルコットは、ゴーレムを作る職人「律法師(ラビ)」を目指す少女。
とはいえ彼女はそこまで優秀ではなく、むしろ格闘術(バリツ)と体力にすぐれた田舎者。
彼女はたまたま機関車のなかで、天才律法師のレイ・チャールズ・ギブスンに出会う。
彼は寝食を忘れ、「泥(ゴーレムを作る際必要)とペンとインク(ゴーレム起動のスクリプトを筆記するのに必要)があれば生きていける!!!」と言いきる、マッドサイエンティスト……この場合はマッドゴーレミストというべきか。

世界観の作りこみがじつにおもしろい。
ようするに、ペンで書きこんだスクリプトとは、コンピューターのプログラミング、泥というのは機械の素材。ロボットと基本同じだ。
単純なものであれば、素材はなんでもいいため、スクリプトさえかければすぐにゴーレム化できる。手のかかるロボットものと比べて、アクションが派手でスピーディー。

また世のなかにあるすべての機械、たとえば機関車ですら、ゴーレム。便利極まりない。
ただしそのスクリプトを組むのがとても難しい。レイは一瞬で組みあげることができるものの、並大抵の人間ではそうはいかない。
天才科学者を超えた存在のレイは一瞬でゴーレムを動かす。体術に長けたアシュリーが援護する。2人のコンビが、次々起きるゴーレム事件を解決していくのは、たいへん爽快だ。

現実では、ロボット工学者は人間型アンドロイドとAIに挑戦している。同様に、ゴーレムを動かす律法師も、究極として「命」を作ることに挑もうとしている。
しかし、どんなに高価な素材を用意し、頭脳の限界まで絞り出しても、いまだ人間は作れない。

科学もゴーレム技術も、「命」に触れるのは、禁忌なのだ。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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