日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『お嬢と東雲』

『お嬢と東雲』第1巻
奈院ゆりえ フレックスコミックス￥570+税
（2016年2月15日発売）

著者は、「COMICポラリス」期待の新人！
まずは表紙。『妖狐×僕SS』『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』などで知られる藤原ここあ先生（多くのファンに惜しまれながらも、2015年3月にご逝去された）を彷彿とさせる美麗なイラストに、惚れ惚れする。

本作をひと言でいうと、イケメンのお目つけ役×かわいらしいお嬢様のラブコメだ。いちゃつく2人の日常が描かれている。いわゆる主従萌え作品である。
お嬢はピュアで、ひたむきにお目つけ役のしのに恋をしている。隙あらばしのにくっついたり、デートに誘ったりと、（それはもう無防備に）日々好き好き光線を送っている。そんなお嬢のちまちました感じや、しのの言動で一喜一憂する姿は、かわいらしくて、読者は庇護欲をかきたてられるはず。

無邪気にふるまうお嬢に対して、身のほどをわきまえた接し方をしている。しかし、しののたがが外れた瞬間、つまり、“ひとりの男”になった瞬間ったら、もうドキドキ！
紳士的なんだけれど、体を密着させて……まるで恋人みたいな距離感!?　お嬢の心臓のバクバクが聴こえてきそうだ。

まだほっぺにチュー止まりな2人だけれど、しのに「大人扱い」されたいお嬢の大胆行動によって、一気に大人の階段をのぼることになるかもしれない!?　結局男はみんなオオカミですよ。
それにしても、一度でいいから、イケメンのおつきの者にかしずかれて、「お嬢」とか呼ばれてみたいなあ。

＜文・穂高茉莉＞
楽器店店員。『このマンガがすごい！2016』、「このマンガがすごい！WEB」のアンケートに参加中。最近少女マンガのレビューのお仕事もちょこちょこと始めました。