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『木根さんの1人でキネマ』 第2巻 アサイ 【日刊マンガガイド】

2016/07/21


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『木根さんの1人でキネマ』


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『木根さんの1人でキネマ』 第2巻
アサイ 白泉社 ¥600+税
(2016年6月29日発売)


アラサーの木根さんは、大の映画好き。それもメジャー作品よりも、アクションやホラーなど、偏った方面のマニア。
子どもの頃は、そんなもの見てはいけないと注意され、中学時代は「私はみんなと違う」気取りで孤立していた。次第に、趣味を隠して生きること(擬態)を覚えた。
そうなると、今度はのびのび趣味の話ができなくなる。
彼女は叫ぶ。
「映画友達欲しいよぉおお!!」

彼女は「語り合える友達」がほしいのに、自分の好き嫌いは絶対に譲歩しない。
ネットで語りあうことだって可能なのに、意見が異なる人の話を絶対に聞きいれない。
不治の病にかかって死ぬような泣ける映画を心底嫌って、好きな人の前でも平気でけなす。
加えて、映画は映画館に見にいくように勧めているのに、自分はひとりで見る派なので絶対連れていかない。これじゃあ趣味友達ができるわけがない。

オタクの厄介なところを凝縮したような彼女。しかし行動の理屈はすべて「好きだから」と超シンプル。愛ゆえのかたくなさは、映画以外の趣味にも当てはまる話ばかりで、なんらかのマニアなら共感できるところはとても多い。暴走してしまう行動はチャーミングだ。

第2巻では「ジブリ映画」の話が出てくる。
木根は特に好きでも嫌いでもなく、なんとなく見ていなかった。
部下たち(木根が偏向型映画マニアなのは知らない)はそれを聞いて驚愕。
みんな大好きジブリ。こうなると「おれの推しジブリ作品を木根に見せる」主張がぶつかりあい、血で血を洗う争いがはじまってしまう。なんだかんだでみんな、同じだ。

「好き」が生み出す天国と地獄は、終わらない。
あ、ぼくは『紅の豚』がいいと思います。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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