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『活字中毒者の魔本探索、あるいは裏図書館のこと -マホタン-』 伊咲ウタ 【日刊マンガガイド】

2016/10/28


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『活字中毒者の魔本探索、あるいは裏図書館のこと -マホタン-』


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『活字中毒者の魔本探索、あるいは裏図書館のこと -マホタン-』
伊咲ウタ 講談社 ¥590+税
(2016年10月7日発売)


活字中毒者・一ノ瀬花圃(いちのせ・かほ)。古今東西あらゆる本を溺愛する少女。
図書委員の彼女は、図書室にあった謎の扉を開く。
そこは、生きている本「魔本」を封印する「裏図書館」だった。
魔本とは、人と深く関わって魂が宿ったもの。なかにいる登場人物が現実社会に出てきてしまうことがあるらしい。

花圃が開けてしまったがために、封印がゆるんでしまい、魔本が何冊か逃げ出した。
花圃は、本のなかの狼を操る少年・葉山梢風(はやま・しょうふう)とともに、魔本探しを始める。

誰もが知っている物語が題材になっている。ただ、ストレートにはわからないものが多い。
学校内で生徒が「トイレの花子さん」だと騒いだ。魔本がらみだろう。
ところがその花子さん、トイレにいない。しかも着物姿だという。……だれ?

花圃は豊富な読書知識から、いったい何の物語かを当てていく。
史実にもとづいた、かなり変化球な話題が多いので、ミステリーとしてもおもしろい。

花圃はめちゃくちゃポジティブで、芯が強い。
「一人でいることの逃げ道のために 本を選んだんじゃないもの」
「好きなものができて 孤独になって 孤独(それ)でも「好き」だと思うもの」

愛しているものを彼女はいっさい諦めない。
仮にそれで何かを失っても、ちゃんと彼女は幸せな顔をしている。
いろいろなジャンルへのオタクの、エールだ。

彼女は本の可能性を信じているから、胸をはって登場人物たちに話しかける。
「あなたを百年退屈させない自信あるよ」
「一緒に図書室にいこうよ!!!」

ただ、『十五少年漂流記』が好きだという人に『蠅の王』を渡すのは、ちょっとひねくれすぎだと思うけども。
「本オタあるある」としても楽しめる作品だ。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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