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【『このマンガがすごい!2018』オンナ編2年連続第1位!!】岩本ナオ『マロニエ王国の七人の騎士』【インタビュー】岩本先生が自ら描いたブドウ畑が広がる景色には、とある秘密が……!? 

2017/12/19


人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、岩本ナオ先生!

完結直後に発表された岩本ナオ先生の新連載『マロニエ王国の七人の騎士』が、なんと『このマンガがすごい!2018』オンナ編第1位を2年連続で獲得!! 本誌でも8ページにわたって岩本ナオ先生のインタビューを掲載していますが、未公開のお話も盛りこんだディレクターズカット版として、『このマンガがすごい!WEB』限定でお届けします!

『このマンガがすごい! 2018』
『このマンガがすごい!』編集部(編) 宝島社 ¥550+税
(2017年12月9日発売)

前回は、『マロニエ王国の七人の騎士』がじつは読み切りで進められていたという裏話にはじまり、読者さん&岩本先生の「推しメン」について……などをおうかがいしました。

<インタビュー第1弾>
【『このマンガがすごい!2018』オンナ編2年連続第1位!!】岩本ナオ『マロニエ王国の七人の騎士』【インタビュー】読み切りの予定が大長編に!? さらに公式で「推しメン予想」まで開催! 気になる先生の「推しメン」は……!?

今回はさらに、連載が始まってすぐに行った夢の取材旅行のエピソードや、実際に描いてみたかった「とある国」の風景についてなど、たっぷり語っていただきました!

著者:岩本ナオ

岡山県出身。2004年、「月刊フラワーズ」でデビュー。全12巻となった『町でうわさの天狗の子』で第55回小学館漫画賞少女向け部門を受賞。現在「月刊フラワーズ」で『マロニエ王国の七人の騎士』を連載中。

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夢のような取材旅行で、中世のお城に宿泊!?

――モデルにしたお城はあまり有名じゃないということは……けっこう田舎にあるんですか?

岩本 行ってみたら、駅の真ん前にお城があって驚きました。といっても、すごい田舎の駅なんですよ。改札もない無人駅で。

岩本先生が取材旅行の際に入手したお城のパンフレットやカレンダー。
たしかに中世の雰囲気が城からただよっている。

――観光客が集まるところではない?

岩本 ヨーロッパの観光客は多少いましたが、日本人はまったく来ないそうです。旅のコーディネーターさんには「上級者」といわれました(笑)。

担当 ネットでも旅行記などはほとんど見つかりませんでした。電車のチケットなどはコーディネーターさんが手配してくれましたが、かなりローカルな地域なので、自力では無理だったと思います。

岩本 わりと近くには牛追い祭りで有名な街があるんですけどね。地元の方々はこのお城を一生懸命アピールして、自力で町起こししようとしてるんです。地元の人はみんな、とてもやさしかったですね。

――これは、いつ頃できたお城なのでしょうか。

岩本 16世紀くらいに建てられたもので、王様が避暑に訪れる別荘的なお城だったそうです。戦うためのお城ではないんですよね。なにしろ塀もありませんし。まわりはブドウ畑や修道院があったりと、のどかそのもの。ここにナポレオン3世が攻めこんでくるとなって、とられる前に壊してしまったのを1900年代に入ってから建て直したそうです。一部、16世紀のままのところも残ってはいるんですが。今では城内の一部エリアがホテルになっていて、ここに泊まったんです。すごく素敵でした!

上にあるパンフレットと見比べてみると、円錐状の屋根や田園風景が作中で見事に再現されている。

――えっ、すごい! お城の中に宿泊したんですか!? 相当すみずみまでチェックされたんでしょうね。

岩本 暖炉とか、椅子の脚とか撮りまくりです。アシスタントさんからは「天井を撮ってきてほしい」と念押しされていました。木がどういうふうに組まれているのかなんて、さすがに資料が見つからなくて困っていたので。

――写真で見ていたものも、実際に見るとまた違ったり?

岩本 気づいたことがたくさんありました。たとえば、らせん階段って意外と狭いんだなとか。それまではけっこう大きく描いちゃってたけど。大きいものを小さく描いちゃってたことも。

城内にあるらせん階段の前で華麗に回る少女。
この少女、じつは……。

―写真の撮り方で違って見えたりしますしね。

岩本 触ってたしかめたいと思っていたのは石の質感です。石造りの建物の寒さがよくわかりました。夏でも寒いらしいですよ。11~13世紀ごろって、文化的には暗黒時代で、「快適に住もう」という感覚がないそうなんです。「マロニエ」は12世紀くらいをイメージしているのですが、家具すらほとんどないとか。

――「お城」といえば一律に、どの時代でもぜいたくなんだろうと想像しがちですが、違うんですね。

岩本 昔のお城は簡素で実用的ですね。椅子のなかには長持ちのように物が入れられて、両側に持ち手があったり。攻めこまれたらこれを持ってすぐ逃げられるようにしてあるとか。剣も壁に飾ったりしないで椅子のなかにしまってあったと教えてもらいました。

――「マロニエ」の騎士たちの暮らしもかなり素朴ですよね。農作業に行ってたりしますし。

岩本 資料が少ないので苦労しますが、牧歌的な時代、おとぎ話としての雰囲気が出るようにと思っています。中世の、小姓として働いている少年の暮らしぶりを伝える文献なども参考にしています。お城のなかでは1年間にどんな仕事があるかが書かれている本があって。

7人は、王領のお世話だけでなく、客人へのおもてなしで大忙し!

――戦をしているのでも、毎日舞踏会をしているのでもない生活感が伝わってきます。

岩本 16世紀以降はどんどんきらびやかで、暮らしやすい感じになっていくんですよね。らせん階段ではなく、踊り場のある階段になっていったり。

スペインの赤い大地を連載前に見ておきたかった!

―取材先で「絶対これは絵にしたい」と思ったのは?

岩本 古いお城から臨む田園風景ですね。もともと遠景を描くのが好きなんですが、南仏のカルカソンヌから見える風景は12世紀くらいから変わっていないと現地のガイドさんに教えてもらって感激しました。一時期、人口が増えて木を切りすぎてしまったけどもとに戻そうという動きになって、今は昔の姿に戻っているそうなんです。そういう風景を見られたのは本当によかったです。

―1000年近く昔の人と同じ風景を見ているなんて、当時の人の息づかいを感じられるようですね。

岩本 第7話(「月刊フラワーズ」2017年12月号)のブドウ畑はアシさんにまかせず、私が描いたんですよ。こういうところはこだわって、自分が目で見てきたものを映し出したいと思うんです。

見張り台から見える、マロニエの風景。
塔からみたブドウ畑が広がる景色は緻密に描きこまれており、岩本先生の技が光る。

――遠景もかなり細かく描きこまれてますね。

岩本 道沿いに木が生えているのがすごく好きなんです。日本とは植物も違っていましたね。それから、夜明け前から鳥の声がすごかった。まわりに何もないから、よく聞こえるんです。

―五感で体験してきたものが、ますますたくさん反映されていきそうですね。

岩本 スペインの大地の赤さも、強く印象に残っています。これ1話目のカラーで描きたかったなぁ。土が赤いから、レンガもかなり赤いんです。風土の違いを知ると、その土地ならではのいろんなエピソードにつなげていけそうで、取材っていいなあと改めて感じました。

―「夜が長い国」に咲きほこる青い花が、国の文化に結びついているという設定も素敵です。これからいろんな国が出てくるなかで、そうしたアウトラインを読むのも楽しみです。

青い花で染められた着物を着る、エレオノーラをぜひカラーで見てみたい……!

岩本 はい。まだ先は長いですが、がんばって描いていきますのでよろしくお願いいたします!

取材・構成:粟生こずえ


前後編にわたってお届けしてきました、岩本ナオ先生の貴重なインタビュー、いかがでしたか?
まだまだ岩本ナオ先生のインタビューが見たいという方に朗報!
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大事なのでもう一度!

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『このマンガがすごい!』編集部(編) 宝島社 ¥550+税
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\次回予告/
『このマンガがすごい!2018』オトコ編第1位『約束のネバーランド』のインタビュー(ディレクターズカット版)を公開予定!
コチラもお楽しみに★

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