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『このマンガがすごい! comics Black Flower 関東連合のいびつな絆』第2巻(柴田大輔・作 大島保・脚本 山根聖史・画)ロングレビュー!生ぬるい友情は一切不要! 関東連合が、闇の覇権を握るまでにのしあがった理由とは!?

2017/07/10


男の子ならだれもが一度は憧れてしまうクラシックな論理だ。だが、もう素手喧嘩(ステゴロ)の強さを誇る時代ではない。新しい時代を生きる見立田からすれば、「やっぱ使えねーなアイツ…」という扱いであった。
そんな哀しいポジションの金山だったが、新宿一蘭会の武井と喧嘩をした数日後、覆面を被った集団に襲われて、意識不明の重体に陥ってしまい……。

飲み会で朝帰りのところを襲撃される金山。素手喧嘩最強も凶器で不意をつかれてしまっては……。

飲み会で朝帰りのところを襲撃される金山。素手喧嘩最強も凶器で不意をつかれてしまっては……。


はたして金山を襲った集団の正体は何者なのか。金山の後輩であり関東連合と因縁の深い鬼村兄弟、先日揉めたばかりの一蘭会の武井か、それとも……。
見つからない犯人、復讐に対する仲間内での温度差、鬼村兄弟との抗争を煽るケツ持ちのエビハラ……この事件をきっかけに、順調に見えた最強の半グレ集団、関東連合の歯車が狂い始めていく……。

金山の復讐をしようと熱くなる仲間たちに対して、ひとり冷静な工藤。だが見立田はその冷静さが気に食わない。

金山の復讐をしようと熱くなる仲間たちに対して、ひとり冷静な工藤。だが見立田はその冷静さが気に食わない。


原作者の柴田大輔は、第1巻のインタビューで、多くのヤンキーマンガを読んできたと語っている。たしかに本作品にそういったマンガが放つ独特の空気というものは存在する。だが、その一方で、その手のマンガにあった友情や絆、あるいは仲間内での仁義だったりするようなものはまったく感じさせない。さらに、物語の冒頭で描かれているように、この後の彼らはクラブでの殺人事件を引き起こすことが確定している。
元関東連合のメンバーである作者が、この先の運命をどのようにして描いていくのか。待っているのはただの陰惨な結末か、それとも破滅の美学か。登場人物が突き進む物語の先をぜひ見守っていきたい。



<文・犬紳士>
養蜂家。好きな野鳥はメジロ。
Twitter:@gentledog

単行本情報

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