日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『このマンガがすごい!comics Black Flower 関東連合のいびつな絆』
『このマンガがすごい!comics Black Flower 関東連合のいびつな絆』 第1巻
柴田大輔(作) 大島保(脚) 山根聖史(画) 宝島社 ¥590+税
(2017年1月21日発売)
あなたは「関東連合」という組織をご存じだろうか?
時事に詳しい人であれば、2012年9月2日に東京都港区六本木のクラブで発生した集団暴行殺人事件、世に言う「六本木クラブ襲撃事件」の関係者としてその名が挙がったことを覚えているだろう。
いわく「史上最凶のアウトロー集団」、いわく「カネと暴力の半グレ集団」……当時の“悪名”は日本全土に轟き、なかば都市伝説化して今なおうわさにのぼるようだ。
その、元関東連合幹部のひとりだった工藤明男(ペンネーム。本名は柴田大輔)によって当時の関東連合の真の姿をつぶさに描いた手記『いびつな絆 関東連合の真実』は、シリーズ累計27万部オーバーという超ヒット作となった。
本作を原作にいただき気鋭・山根聖史がコミカライズしたのが当サイトで好評連載中の『Black Flower』。その第1巻が早くも単行本化となったわけだ。
うだつのあがらない平凡なサラリーマン・田中はある夜、関東連合最高幹部・見立田(みたてだ)からの電話を受ける。
さして仲よくもない見立田だが、断ればどんな目に合わされるかわからないとの評判にビビりまくる田中。しかたなく彼のマンションにかけつけた田中は、見立田本人の口から関東連合の“これまで”を聞くことになる……。
いきなり冒頭から始まるクラブ襲撃シーン(じつはこの事件にもまだまだいろんな謎がある!?)、そしてそこから少しさかのぼって描かれる見立田率いる関東連合と対抗勢力・鬼村(きむら)兄弟との息づまる攻防。歩く暴力・鬼村龍二と狡猾に立ちまわる見立田の戦いは、一触即発状態。
さらにはそのいさかいのまっただなかにあったと思われる第三の男・金山も登場して、関東の覇権をめぐる火薬庫には刻一刻と導火線の火が迫っている……というところで続巻へとつながっていく。
このあと、関東連合を待ち受けるものはいかなる衝撃か?
第5話は、WEB連載よりも先に単行本で読めるので、待ちきれない人は今すぐ書店に走れ!
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<文・富士見大>
不良・ヤンキー文化とは無縁に育った反抗期スルー系ナンパ編集・ライター。特撮のあれこれやマンガのあれこれに携わり、最近作は『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀』、『「ウルトラマン超解析」大怪獣激闘ヒストリー!』。間もなく発売の「東映ヒーローMAX Vol.55」にも参加しています。