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宝島社が運営する「このマンガがすごい!WEB」が「宝島」&「CUTiE」ダブル休刊の真相に迫る――!?【週刊「このマンガ」B級ニュース】

2015/08/05


7月29日、宝島社は月刊誌「宝島」と女性向けファッション誌「CUTiE」の休刊を発表した。
「宝島」は10月号(8月25日発売)、「CUTiE」は9月号(8月11日発売)で休刊となる。宝島社からは「両誌とも新しい価値観を提供し、一時代を築いてきたが、定期雑誌という形は一度役割を終え、別の形で新しいコンテンツや事業として生かす」と公式発表された。

というわけで、“タブーに斬り込む知的探求”なノリで、同じ宝島社の「このマンガがすごい!」の編集長氏に「実際のところどーなのよ?」と問い合わせてみたところ、「いやぁワシらもようわからんのですわ」とソッケない回答。
いま世間ではアニメ映画『バケモノの子』(細田守監督)が大ヒットしているが、「このマンガがすごい!」編集部は社内的に“ノケモノの子”なので、事情を知らなくても仕方ない。仕方ない。

ともあれ「宝島」(1974年創刊)と「CUTiE」(1989年創刊)はどちらも長い歴史を持つだけに、現在の読者はもちろんのこと、かつて読者だった人たちも、いろいろと感慨深いのではないだろうか。
そこで今回は「宝島」と「CUTiE」にゆかりのあるマンガ作品を取りあげて、両誌を回顧してみたい。

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『リバーズ・エッジ オリジナル復刻版』
岡崎京子 宝島社 \890+税
(2015年6月10日発売)


「CUTiE」は女性のストリートファッションのフラッグシップ的な役割を担った雑誌で、“CUTiE少女”というキーワードを生み出した。誌面にはマンガの連載もあり、なかでも有名なのが岡崎京子だろう。

「CUTiE」には『リバーズ・エッジ』や『東京ガールズブラボー』といった岡崎京子作品など、数多くのマンガが掲載された。
作中に登場するファッションや固有名詞の同時代性、登場人物たちの冷めた感じ、描かれるテーマやモチーフなど、どれをとっても唯一無二であり、岡崎京子はまさしく “CUTiE少女”たちのカリスマだった。

なお、「Rockin’Comic」や「マンガ宝島」(いずれも宝島社刊行)といった雑誌に掲載された作品や「月刊宝島」でのインタビューは、『RUDE BOY 岡崎京子未収録長編』に収録されている。ファンであれば、こちらもチェックしておくべきだ。

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『新装版 ジェリー イン ザ メリィゴーラウンド』第1巻
安野モヨコ 宝島社 \900+税
(2014年4月21日発売)


岡崎京子に続いて誌面を賑わせたのが安野モヨコである。

岡崎のアシスタント経験者であった安野は『ジェリー イン ザ メリィゴーラウンド』などを連載。同作品はテレビ東京系列でテレビドラマ化された。
ファッションと恋愛を軸にしたコメディで、トランスジェンダーやファッションモデルといった“ファッション誌らしい”キーワードが散りばめられている。作中に横溢するモラトリアムな雰囲気は、“CUTiE少女”の心にフィットしたようだ。2014年には新装版がリリースされるなど、いまなお根強い人気を博している。

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『PUNK DRAGON(パンク・ドラゴン)』
いしかわじゅん 宝島社 \800+税
(1985年発売)


雑誌としての「宝島」は、1974年の創刊以来、サブカル誌、ロック誌、アダルト&アングラ誌、経済誌、実話誌と何度も雑誌コンセプトを変更し、まるでゾンビのように……もとい“火の鳥”のように復活を繰り返しながら命脈を保ってきた。
それゆえに今回の休刊には驚かされたが、世代によって「宝島」に対するイメージが大きく異なるところが興味深い。そして80年代中期に連載していたマンガが、いしかわじゅん『パンク・ドラゴン』だ。

いつもエロいことばかり考えている正体不明の謎の生物・パンク・ドラゴンが、人間社会でトラブルを巻き起こすコメディ作品。当時の時事ネタやパロディをふんだんに用いているので、当時の世相を知ったり、懐かしむことができる。
島本和彦『アオイホノオ』で「DAICON 3」(第20回日本SF大会)のオープニングアニメを描写したシーンにもパンク・ドラゴンは出てくる(単行本第11集)ので、『パンク・ドラゴン』とはどのような作品なのか気になった方も多いだろう。現在はebookjapanで電子書籍化されているので、入手しやすくなっている。

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『新宝島 (手塚治虫文庫全集)』
手塚治虫 講談社 \800+税
(2010年3月12日発売)


「宝島」と「CUTiE」の2誌は休刊するが、出版社というものはマグロやサメと同様に動きを止めると死んでしまうもの。これからもあらたな雑誌や書籍が生まれては消えていくことだろう。
もしかしたら、「宝島」の後継誌として「新宝島」なんてタイトルの雑誌がシレッと創刊されるかもしれない。内容はもちろんマンガ誌で……って、天国の手塚治虫に怒られるぞ。



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでのマンガ家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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