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【速報】アメリカ大統領ロナルド・クランプ氏、死亡! 【B級ニュース】

2017/01/24


複雑化する現代。
この情報化社会では、日々さまざまなニュースが飛び交っています。だけど、ニュースを見聞きするだけでは、いまいちピンとこなかったりすることも……。
そんなときはマンガを読もう! マンガを読めば、世相が見えてくる!? マンガから時代を読み解くカギを見つけ出そう! それが本企画、週刊「このマンガ」B級ニュースです。

今回は、「あのロナルド・クランプ氏が暗殺された」件について。


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『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』
江崎道朗 青林堂 ¥1200+税
(2016年10月8日発売)

日本時間で1月21日未明、ドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ大統領に就任した。

通常、大統領就任式といえば、新大統領誕生を祝う祝賀ムードで満たされるところだが、今回ばかりはいささか様子が異なる。
なにしろトランプ氏の就任にさきがけて、過激派組織「ISIS」がトランプ氏の暗殺を計画しているとの報道が出たのだ。
また、トランプ氏の大統領就任に反対する大規模な抗議集会が首都ワシントンD.C.をはじめ、アメリカ各地で開催されたため、就任式では厳重な警備体制が敷かれた。

複雑なニュースである。

しかし、そんなときこそ、わが「B級ニュース」の出番だ。これまでも数多くの世相をマンガで読み解いてきたように、今回は「トランプ大統領就任」をマンガで読み解く。
トランプ氏は就任演説で「アメリカ・ファースト」を叫んだが、われわれはつねに「マンガ・ファースト」なのだ。

そう、そもそも、『ゴルゴ13』には、すでにトランプ氏をモデルとするロナルド・クランプなる人物が登場、当然のごとく暗殺されていたのだ!?
メイク・アメリカ・グレート・アゲインッ!


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『ゴルゴ13』 第121巻
さいとう・たかを リイド社 ¥524+税
(2001年7月発売)

トランプ氏といえば、不動産王である。
80年代には超高層ビルのトランプ・タワーを建てたことで世界中に名が知られ、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)に出てくる悪役ビフ・タネンのモデルになったことも有名だ。

不動産王としてのトランプをモデルにしたキャラクターが登場するのは『ゴルゴ13』(さいとう・たかを)。
2001年7月に発表された「殺人劇の夜」(リイド社文庫版121巻収録)では、不動産王ロナルド・クランプがゴルゴのターゲットとなる。
クランプ・タワーの最上階に陣取るクランプは、ブロンドの美女をバックからファックしながら部下と打ち合わせする傲慢不遜な男として描かれる。

そんなクランプの殺害を依頼したのはなんと同業者。不動産王仲間にすら嫌われているところがなんとももの悲しい…。
もちろん、ゴルゴだけに彼はきっちり殺されてしまうのだ。

そういえばトランプ氏も、ロシアに行って“豪遊”した場面をビデオに撮られたという、真偽不明のスキャンダルがあった。
ファクト・チェック(事実確認)なしのスキャンダルがつねにつきまとうのは、彼がセレブゆえの宿命か?

いずれにせよ「殺人劇の夜」に出てくるクランプ・タワーは厳重に警備されたビルだ。入念なボディチェックをされたゴルゴは、どのような手段で狙撃を完遂するのか?
そのDIY精神あふれる工夫に大注目だ。

それにしても暗殺なんて物騒な話は、あくまでフィクションのなかだけにしてほしいところだ。


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『刃牙道』 第15巻
板垣恵介 秋田書店 ¥429+税
(2017年1月6日発売)

アメリカ大統領に就任すると、最初に行うのが就任演説である。
しかし、『刃牙』シリーズにおけるアメリカ大統領には、それより先に済ませておくべき課題がある。それが範馬勇次郎氏への不可侵宣言だ。
大統領に就任した者は、まず第一に範馬勇次郎を表敬訪問し、世界一の軍事大国アメリカが世界一の暴力を持つ男と対等の関係にあるという旨を宣誓するのである。これまで『刃牙』シリーズでは、ボッシュ大統領やオズマ大統領が、この“恒例行事”を作中でおこなっている。

『刃牙』シリーズの最新作『刃牙道』では、「週刊少年チャンピオン」連載分ではすでにクラムプ大統領が登場済みだ。まだコミックスには収録されていないが、第16巻以降にはクラムプ大統領が範馬勇次郎と対面する回が収録されるハズ。

クラムプはアメリカ・ファーストを貫けるか、それともユージロー・ファーストに屈するのかッ!? 
メイク・アメリカ・グレート・アゲインッッッ!!!!


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『内閣総理大臣織田信長』 第1巻
志野靖史 白泉社 ¥657+税
(1994年10月発売)

通常、大統領は就任後にホワイトハウスへと引っ越す。しかし、トランプ氏の妻であるメラニア夫人は、長男の養育のためにトランプ・タワーにとどまるという。そこで浮上したのが、長女のイヴァンカ氏が代理ファーストレディとしてホワイトハウス入りし、父の公務をサポートするのではないか、との説である。
すでにイヴァンカ氏は、昨年11月に安倍首相とトランプ氏が初会談した際には同席している。

ファーストレディとしては、志野靖史『内閣総理大臣織田信長』(1994~1997年に白泉社「ヤングアニマル」に連載)にクリムトン大統領の夫人として恐妻ヒラリンが出てきたが、その方は大統領選挙では負けたので、今回はあまり触れずにおこう。

イヴァンカ氏はモデルとして活躍したのち、名門大を卒業して実業家としても成功を収めた才色兼備のスーパー・セレブ。
父と違って国内人気も高く、そもそも今回のトランプ氏の大統領選出馬は、のちにイヴァンカ氏を政界へと進出させるための布石だったのではないかとの見方もできる。


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『幕張』 第1巻
木多康昭 集英社 ¥390+税
(1996年8月発売)

しかし「トランプの子」というだけで、いろいろと苦労をしてきたこともあるだろう。
トランプの子として苦労したといえば、『幕張』(木多康昭)だ。

主人公の塩田は「バスケ部に入りたいが、ジャンプにはスラムダンクがあるし、セクシーコマンドー部には入りたくない」(本作の連載期間は1996~1997年)という理由で幕張南高校の野球部に入部。
その野球部のキャプテンこと吉崎哲也が、じつはトランプマンの息子だったのだ。

マンガ界広しといえども、イヴァンカ氏の苦悩をわかちあえるのは、同じトランプ(マン)を父に持つ吉崎をおいてほかにいない。
本作『幕張』はすでに20年前のギャグマンガである。当時の時事ネタなど、現在ではかなりわかりづらくなっているが、作中にはあの時代の空気が濃密にパッケージングされている。当時を知る者にとっても、そうでない者にとっても、タイムスリップしたような感覚に陥るのではないだろうか。

そう、トランプ氏がモデルになった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のように!


アメリカでの世論調査では、国民の半数以上がトランプ氏の大統領就任に不満を持っているとのデータが出ていたり、抗議集会が相次いでいたり、現在のところトランプ氏は「過去40年でもっとも人気のない大統領」といわれている。
しかし、いくらトランプだからといって、簡単に切るわけにはいかない。トランプマンのマジックのように、目くらましをされないように注意が必要となる。
まあ、トランプカードを使った慣用句に「come up trumps」(思いがけずうまくいく)とあるから、期待されていないトランプが状況を好転させてくれるかも!?

ともあれトランプ氏はキャラの立った人物なので、これからマンガではどのような描かれ方をしていくのか、「マンガ・ファースト」で見守っていきましょう!



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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