『めぐらば』第1巻
kirusu マッグガーデン \571+税
(2015年2月10日発売)
表紙であっけにとられた。
なぜコンドル? なぜ集中線? なぜ2人は気にもとめていない? どうしてこれを表紙にしちゃった?
ついムズムズして買ってしまいました。
女子高生3人組。変わり者好きの変わり者・赤島美彩(みどり)、幼なじみのツッコミ役・黄瀬紫帆、眼鏡内気少女・紺青桃子。
ある日、美彩がほとんどシャッターが閉まっているアーケード街を歩いていた時、今まで見たこともない喫茶店「スペース三ツ星」を発見する。
ロケットや宇宙人の外装、宇宙服を着た店員、その割にまともなコーヒーやお菓子。
3話まではスペース三ツ星を軸に、3人が非日常な日常を体験する様子が描かれる。
例えば店内でトイレに行きたくなった美彩。普通のトイレと、謎の「腕ずもうトイレ」を見つけて、思わず後者を選んでしまう……。
こんな感じで喫茶店やアーケード街を中心に物語が進むのかとおもいきや、次の回では単にホラー映画を見るだけの話になるわ、デパートでエレベーターVSエスカレーターの戦いに巻き込まれるわ。
女子高生3人の巻きこまれる出来事にあまりにも脈絡がなさすぎる。
桃子「どうしてそんな……」
美彩「なーんとなく!!」
桃子「そうよね、なんか慣れてきたわこのノリ」
まるで、押してはいけないボタンを躊躇なく押しまくるかのようなマンガ。
徹底して「なんとなく」でことが進んでいく。
勢いだけで突き進めるのは「女子高生」の特権だ。不条理の中に飛び込んで傍若無人をつくす女の子は、「楽しい!」という生命力に満ちていて、とてもかわいいのだ。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」