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『女子かう生』第2巻 若井ケン【日刊マンガガイド】

2014/09/25


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『女子かう生』第2巻
若井ケン 双葉社 \600+税
(2014年9月10日発売)


女子高生が、なんの気なしに撮った日常スナップ写真のようなマンガだ。
非常にめずらしい、セリフのない完全サイレント形式をとっており、吹き出しはいっさい描かれない。

主人公のもも子(名前はスマホに表示されたり、名簿を見たりすることでわかる仕組み)は、今どきのギャル風味、かなりまぬけ、元気いっぱい、やたらポジティブ、生活習慣が雑……と見ていて飽きない女の子。
第1巻ではおもに、もも子が日常のありとあらゆることで遊ぶ様子が描かれている。
暑い日に部屋でスカートを脱いで扇風機の前でゴロゴロしたり、ラッキーカラーだからと三角コーンを持って歩いたり、両目に同時に目薬を入れようとしたり。
女子高生特有の、自由奔放さがマンガに詰めこまれている。
うーん、女子高生って多少むちゃくちゃな行動をとっても、かわいく見えちゃうから、ずるい。

第2巻以降は、まじめメガネのしぶ美、おとなしい少女・まゆみとのドタバタがメインになってくる。
みかんの皮を変なカタチに剥いたり、みんなで体重のはかりっこをしたり、一緒におにぎりを作ったり。なんでもない日々を、3人が心の底から楽しんでいる。
何を言っているかはいっさいわからない。ただ、それを見るだけで、ものすごく幸せな気分になれる。

そしてうまいところは、ギャル・まじめ・内気というバラバラな3人がなぜ親しいのか、きちんと描いていることだ。3人が仲良くなったきっかけがわかることで、会話の内容がわからなくても、絆があることが充分すぎるほど理解できる。アホなことをやっていても、その一瞬が彼女たちにとっっていかにかけがえのないものか伝わってくる。
いつも手元に置いておいて、「読む」というより、ちょっとした時に1コマ、1コマ「眺めたく」なる作品だ。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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