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1月30日はオリバー・クロムウェル(イングランドの政治家)の墓が暴かれて遺体が斬首された日 『HELLSING』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/01/30


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

オリバー・クロムウェル(イングランドの政治家)の墓が暴かれて遺体が斬首された日。本日読むべきマンガは……。


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『HELLSING』第1巻
平野耕太 少年画報社 ¥495+税


イングランドの政治家・軍人のオリバー・クロムウェル(1599-1658)は、イングランド内戦における、旧来の王党派に対する議会派の代表的な指導者として有名だろう。
イングランド共和国(コモンウェルス)が樹立された際には、初代護国卿にも就任している。

しかしクロムウェル亡き後の1660年、対立する長老派が王政復古(チャールズ2世)するとともに、罪人として墓を暴かれ、遺体に対して斬首が行われている。
1月30日は(チャールズ1世が処刑された日であると同時に)クロムウェルの遺体が斬首された日である。

そしてマンガでクロムウェルと言えばもちろん、平野耕太『HELLSING』。
平野節と呼ばれる癖のあるセリフまわしと、それを彩るデザイン性の高いポージングとオノマトペ、そして呪術的とも言える幻惑的な画力をもってつむがれる、みつどもえの勢力が入り乱れる怪異バトル・アクション作品だ。

その主人公である吸血鬼・アーカードの力を抑えこむ「拘束制御術式」の名がクロムウェル。英国を舞台にした、宗教をめぐる戦争というモチーフからとられているのだろう。
本作にはこの種の元ネタのあるモチーフが散りばめられているため、探してみるのもおもしろい。

なおこのタイミングで平野耕太を取りあげるのには意味がある。
現在全国を巡回中の「『描く!』マンガ展 ~名作を生む画技に迫る―描線・コマ・キャラ~」に平野も出展しているからだ。

監修であるマンガ評論家・伊藤剛いわく、平野の絵は一枚絵としての力が強靭で、アート畑の人にこそ見てもらいたいものだという。
九州につづき関東ではさしあたって、2月11日より高崎市美術館で開催される予定だ。生の原画に触れることができるまたとない機会として、必ずや足を運ぶ必要がある。

<文・高瀬司>
批評ZINE『Merca』(アニメルカ×マンガルカ×ジャズメルカ)主宰。アニメ/マンガ論を『ユリイカ』などに寄稿。インタビュー企画では「Drawing with Wacom」などを担当。
TwitterID:@ill_critique
Merca公式ブログ

単行本情報

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