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『まんが親』 第5巻 吉田戦車 【日刊マンガガイド】

2017/05/04


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『まんが親』

  
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『まんが親』 第5巻
吉田戦車 小学館 ¥743+税
(2017年3月30日発売)


あの吉田戦車が娘さんである“にゃーちゃん”の成長を描くエッセイマンガだ。
第1巻で誕生した彼女も、もう小学校へ入学するとは感慨深い。

序盤で猫との悲しい出来事がある。
著者の奥様で、にゃーちゃんのお母様である伊藤理佐のコラム「伊藤の言い分」によると、この出来事には、家族で“おとうさん”が一番ショックを受けたらしいが、マンガで抒情的に描くことで昇華されているかのようだ。

吉田戦車のギャグは“不条理ギャグ”と表現されがちだが、ロジカルかつ偏執的なまでの“ことば”への探求心がもとになっていることも多い。
再現レシピでも脚光を浴びた『伝染(うつ)るんです。』に登場する料理“子ランチ”(ちなみに、本当にまずいそうだ)もまさにそれだ。

感電の痛みを「300度ぐらい!」と不思議な単位で称したり、おとうさんが服の脱ぎ着をすばやくできることを「ハンサム~」と褒めたり、にゃーちゃんの子どもならではの言語感覚は、6歳になってもまだまだネタの宝庫だと思われる。
ついでに、インクを“ペン汁”と呼んだり、電池の“長寿命”の表記を見て驚きの解釈をしたりする奥様の描きぶりも、ちょっとしたノロケのようにも感じる。

しかし、今巻でいさぎよく終了する、とのことだ。
父親目線の子育て、しかも超人気作家とあれば、確実に需要のあるコンテンツなのだが……。
あとがきによると、この作品について「物心つく前の娘の人生を、ちょっとお借りしたような気持ち」とある。
なんと真摯なマンガへの、および子育てに対しての姿勢だろうか。
“おかあさん”こと伊藤理佐の視点による『おかあさんの扉』(こちらでの娘さんは「あーこ」と呼ばれている)は「オレンジページ」にて連載が続くようなので、こちらに合流もおすすめ。
しかし、やっぱりおとうさんの視点も読みたい。どうかにゃーちゃん、これからもときどきでいいから、おとうさんにも人生を貸してあげてくださいね! 



<文・和智永妙>
「このマンガがすごい!」本誌やほかWeb記事などを手がけるライター、たまに編集ですが、しばらくは地方創生にかかわる家族に従い、伊豆修善寺での男児育てに時間を割いております。

単行本情報

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