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『マジきゅんっ!ルネッサンス』 三尾じゅん太(画) 矢立肇(作) 【日刊マンガガイド】

2017/05/14


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『マジきゅんっ!ルネッサンス』



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『マジきゅんっ!ルネッサンス』
三尾じゅん太(画) 矢立肇(作) KADOKAWA ¥600+税
(2017年3月22日発売)


『マジきゅんっ!ルネッサンス』は「オールメディアプロジェクト」と銘打たれ、ゲーム、アニメ、コミカライズ、CD、小説などメディアミックスで展開している作品だ。 内容としてはいわゆる学園乙女ゲームだが、そこに「魔法芸術」の要素が加わることで、単なる学園ものとは一線を画した内容となっている。

まずは「魔法芸術」という魅力的なタームを説明する必要があるだろう。
すべての物語は、芸術が魔法となり、人々の心を動かし感動を呼ぶ世界で紡がれていく。 書道の文字が生き物のように動き出し、チェロの音色は温かく人を包み、モノクロームの絵画から光があふれ出す。 人々の心を揺さぶる技術・パフォーマンスを「魔法芸術」という。そしてその使い手は「アルティスタ」と呼ばれ、ショービジネスなどで引く手あまたとなっているのだ。

舞台となるのは、アルティスタの卵たちが集まる私立星ノ森魔法芸術高校、通称・星芸。
主人公、愛ヶ咲小花(あいがさき・こはな)は、亡き母の母校である憧れの星芸に無事転入を果たす。そこで小花は転入早々、「星ノ森サマーフェスタ(星フェス)」の実行委員に選出されてしまった。ともに選ばれた6人の男子生徒と、星フェスを成功させるべく奮闘する忙しい毎日がスタートする――。

6人の男の子たちは個性豊かかつ芸術的才能にあふれていて、それぞれに魅力的。
乙女作品ならそれが当然といえばいえるが、キャラの凹凸のバランスがよく、しかも6人集まった時の雰囲気も心地よい。 ヒロインとの距離感を楽しむ以外に、男の子同士の友情や位置関係も、乙女心をワクワクさせてくれる。

本作はちょうど、作品のエッセンス、いいとこ取りというところか。
柔らかい絵柄で綴られた、ほんわり癒しのストーリー。
1冊でまとまっているので、他メディアを体験する前の入門編としても手頃だろう。
小花たちといっしょに、まずはコミックで星芸での青春を楽しんでみてはいかがだろうか。



<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」

単行本情報

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