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【日刊マンガガイド】『ぬいぐるみ殺人事件』 吾妻ひでお ほか(著) 佐野邦彦(編) 復刊ドットコム

2014/09/19


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『ぬいぐるみ殺人事件』
新井素子/吾妻ひでお/新井素子/かがみあきら/しりあがり寿 ほか(著) 佐野邦彦(編) 復刊ドットコム \1,900+税
(2014年8月21日発売)


本作は、ミニコミ誌「漫画の手帖」に1984年より連載された、伝説のリレーマンガである。1986年の連載終了時、同誌の別冊という形で刊行するや即完売。以降、一度も再版されていなかったお宝本の復刻は喜ばしいかぎりだ。とにかくこの企画に参加した豪華な顔ぶれを紹介しよう。
新井素子(小説)、ふくやまけいこ、とり・みき、吾妻ひでお、伊東愛子、中山星香、高橋葉介、かがみあきら、早坂美紀、いづぶちゆたか、水縞とおる、ゆうきまさみ、魔夜峰央、沢田翔、粉味、豊島U作、火浦功(小説)、愛田真夕美、しりあがり寿。以上、掲載順。
パロディも満載、バトンを受け取った困惑も丸出し、作家同士のメッセージのやりとりも楽しいドタバタコメディだ。

こんなお祭企画だから、全員自由に遊びまくっているのはもちろんなのだが、それぞれの作家さんの性格が読み取れておもしろい。序盤からのカオス展開をさらにひっかき回す人、思わず苦笑してしまうほどムチャクチャする人もあれば、どうにか流れを整理して辻褄を合わそうと苦心する人も。
しかし、やはり、最大の功労者はみなが嫌がったという最終回担当を引き受けたしりあがり寿か。広がりまくった物語をむりやり収束させる手腕はまさに神業!

本書には当時の編集日記が収録されているが、この原稿を受け取った直後にかがみあきら急逝の報を受けたくだりがあるのがなんともせつない。若干26歳でこの世を去ったかがみあきらの貴重な作品に触れられるのも、ファンにとってはありがたいかぎりである。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ド少女文庫

単行本情報

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