『りとる・けいおす』第1巻
涼川りん 双葉社 \600+税
(2014年10月28日発売)
口と鼻がオミットされ、イマイチ表情の掴みづらい小学生たちが、無邪気という言葉をはき違えながら仲良く過ごす日常ギャグ。
風呂敷を背負ってやってきた転校生・伊藤ゆずに声をかけてきたのは、冷酷かつ残虐な思考を持つ黒髪の美少女“うきっぺ”と、存在自体がトラブルな“あきちゃん”。
2人との出会いにより、ゆずの小学生ライフは破天荒なベクトルに転がり始める。
とてつもなく臭いオナラをスパッツのなかにためこみ、イッキに放出した「放屁の乱」、エロ少女マンガ「全裸で愛を叫んだけもの」を実写ドラマ化、ラブレターの改ざんにより壮大にフラれたクラスのイケメンが廃人に……。
ピンポイントでキャラクターが少女漫画タッチになるなど、演出は驚くほど多彩。
お下劣な展開も多々あるのに、まったく嫌な気分にならないところもすばらしすぎる。
新キャラも続々登場し、ますます広がる小学生たちのCHAOS(けいおす)な世界に釘づけだ。
<文・奈良崎コロスケ>
68年生まれ。東京都立川市出身。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。
「ドキュメント毎日くん」