みなさんは「パンチラ」って好きですか?
いやいや聞くまでもない。もちろん、超・大好きですよね!?
思春期にさしかかる男子諸君(もちろん女子も)の、行き場のないモヤモヤ。それを解消してくれるのも、マンガというメディアの重要な役割であります(そうか?)。
なかでも「パンチラ」は、60年代から現在にいたるまで若き読者たちの心をつかんではなさない、マンガが生み出した究極の表現法のひとつと言えるでしょう! 言えるはずです!
今回は、世に埋もれた名作・珍作マンガを紹介する同人誌「ぶっとびマンガ大作戦」を発行する、ブログ「ふぬけ共和国」管理人の新田五郎さんに、その秀逸なパンチラ表現が光るマンガ3作品をピックアップしていただきました!
[※2013年から2015年1月に発売されたマンガ単行本のなかから選出をお願いしています]
新田五郎さんオススメの3作品!!
『永井豪 美少女マンガコレクション Go-Go Girls! 1968-73』永井豪&ダイナミックプロ
『永井豪 美少女マンガコレクション Go-Go Girls!1968-73』
永井豪&ダイナミックプロ 復刊ドットコム \2800+税
「PTAが大騒ぎになった」などの「伝説」を残す少年マンガ『ハレンチ学園』の連載期間が1968年から1972年。
この短編集では、ほぼその時期の、豪ちゃんのレアな読みきり作品を読むことができる。
冒頭がいきなりオールカラーの『ハレンチ学園』、それもスカートめくりがテーマ。「パンチラ」という「偶然」を待つのではなく、自分からめくりに行っちゃうアナーキーさが時代を表している。
「スキーですべっていくうちに服もパンティーも脱げてしまう」という「すきすきスキーちゃん」は、なんと少女フレンド掲載(アナーキーすぎるだろ)。
ただし、豪ちゃんには、もともと下着に対する執着がないようで、後々まで、作品に出てくるパンツはけっこう適当に描かれている。
Kindle版『ホールインワン』鏡丈二(作)金井たつお(画)
Kindle版『ホールインワン』第1巻
鏡丈二(作)金井たつお(画) ebookjapan plus \300
1978年ごろからの連載(書影とリンク先は2014年リリースで入手しやすい電子書籍版)。時代は「美少女マンガ」黎明期。
本作はスポーツの名門、明華学園中学に入学した戸橋矢一がゴルフで活躍する作品。非常にしっかりしたゴルフマンガであることを、まずは忘れてはならない。
とは言うものの、本作のゴルフ部の女の子は全員超ミニスカートで、ショットのたびにパンチラ、パンチラ、これパンチラである。
『サルまん』(相原コージ/竹熊健太郎『サルでも描けるまんが教室』)で言及されているように、作者は「パンティーにシワを描きこむ」ことでリアリティを演出し、単行本第2巻の巻末では師匠の本宮ひろ志から「パンティーを見せまくれ!」と煽られている。
技やルールなどの解説役(『男塾』での冨樫&虎丸役)を、佐々木と岡本という美少女コンビにやらせているのも特筆すべき点だろう。
要するに、ゴルフをしっかり描きつつ、美少女のパンチラもとぎれない。ここに無敵のパターンが確立されたのだ。
『今日のあすかショー』モリタイシ
『今日のあすかショー』第1巻
モリタイシ 小学館 \543+税
ヒロインの女子中学生、京野あすかがいかにかわいいか、を毎回見せるのが目的の作品であり、それだけにパンチラシーンも多い。
ほとんど毎回パンチラしている印象があるが、それよりも重要なのは、ヒロインのあすかは「自分が男たちから性的な目で見られている」ことを自覚している点にある。
もちろんあすかにも羞恥心はあるが、自分がパンツを見せることで男たちに与える「影響」もしっかりと自分のなかでおり込みずみなのである。
そうなると、「パンツを見せる/見せない」の主導権は完全にあすかにあるのだが、そのうえで「15歳の少女のかわいさ」をどう見せるか、が本作のキモということになる。
これはただの天然少女を描くより、よほどむずかしいが、みごとに成功している。日本のパンチラマンガはとうとうこの域まで到達したのである。