『藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道』
えびはら武司 竹書房 \1,300+税
(2015年6月30日発売)
「まいっちんぐ」のキメゼリフ&ポーズでおなじみのマチコ先生は、ミニスカからのぞくピチピチの太もももまぶしい元祖巨乳キャラ!
本作は、えびはら武司が『まいっちんぐマチコ先生』誕生以前、藤子スタジオにアシスタントとして務めた若き日々の回想記。
大尊敬する藤子・F・不二雄、藤子不二雄A両氏の人柄を伝える数々のエピソード、そして屈託なく明る~いえびはら先生のキャラにも読みながら思わず目尻が下がる。
えびはら先生が藤子スタジオに入ったのは1973(昭和48)年のこと。
なんとこのころ『ドラえもん』の初代アニメ(日本テレビ放映版)は不人気のまま終了、それとともに学年誌の連載も最終回を迎えることになる。ところが、「全6巻」の単行本が発売されるや編集者も予測しなかった売れゆきに……いきおい再開の話が持ち上がるのだ。そんな顛末があったからこそあの名篇「さようならドラえもん」、「帰ってきたドラえもん」が生まれたと思うとじつに感慨深い。
『ドラえもん』をはじめとする執筆現場のお宝秘話がいっぱい、藤子両先生の日常の顔、藤子スタジオの雰囲気をたっぷり味わえる魅力的な一冊だ。
月刊誌「本当にあった愉快な話」(竹書房)でまだまだ連載中の『まいっちんぐマンガ道』も引き続き注目すべし!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」