365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
6月7日は母親大会記念日。本日読むべきマンガは……。
『女どうしで子どもを産むことにしました』
東小雪+増原裕子(著) すぎやまえみこ(画) KADOKAWA ¥1,000+税
今日6月7日は母親大会記念日である。
1955年、日本での第一回母親大会が開かれた日を記念して制定された。
第一回大会は前年のビキニ環礁水爆実験実施を受け、その禁止を提案したことから始まったものだ。
そして母親大会は「生命(いのち)を生みだす母親は、生命を育て、生命を守ることをのぞみます」という理念をモットーとし、現在もなお開かれ続けている。
(「母親大会」についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください)
さて、母親記念日の今日ご紹介するのは、母親になりたいが、なるためにはいくつものハードルを越える必要がある女性カップルのコミックエッセイだ。
著者の東小雪と増原裕子は渋谷区のパートナーシップ証明書を得て、ふたりで会社を立ち上げ、日本のLGBTを支援する活動を続けている。
ディズニーリゾートでの、ウェディングドレス2人の同性婚式に記憶のある方も多いだろう。
彼女たち2人は女同士のカップルで子どもを産もうと決め、本作にはその試行錯誤の様子が綴られている。
まず第一に精子の問題。そして産まれてきた子どもが背負う(であろう)「普通じゃない運命」――。
日本でも、LGBTについては最近徐々に認知度も高まり、少しずつ開かれ始めてはいる。
しかし本作を読むとまだまだ法的にも整っておらず、様々な問題があることが実感できる。
「性別とは」「母親と子どもとは」「家族とは」――あげていけばきりがないが、だからこそ見えてくる真実もあるのだ。
その点でもこのコミックエッセイには、LGBTとは無関係に、人が生きていくうえでの学びが多々含まれている。
母親大会とは、実際に子どもを持つ母だけでなく、母性を持つすべての女性を対象としているとのこと。
子どもがいようがいまいが、生きとし生けるものを大切に育もうとする人はみな母親だ。
つまり本作の2人は、そういう意味ではとっくに母親なのである。
今日は性別を問わず、自分のなかの母親=母性について考えてみるのも、よい機会なのではなかろうか。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」