365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
6月19日は竹下登の忌日。本日読むべきマンガは……。
『エイキエイキのぶっちゃけ隊!!』
影木栄貴 新書館 ¥780+税
2000年6月19日、第74代内閣総理大臣を務めた政治家・竹下登が没した。
竹下登が総理だった時期に物心ついていた世代(ちょうど、昭和から平成に変わる頃)ならば、「消費税を導入した“犯人”」と認識しているのではないか。
今でも消費税をめぐって絶えず大騒動が起こっているが、元号が昭和から平成に変わるころ頃、まったく新たな税金を、何を買っても「3パーセントとる」ことになった時の国民の反発はハンパないもの。
当時は小学生でも「遠足のおやつは300円まで(消費税込み)」とされたために総理を恨んだものであった。
平成生まれであれば、むしろ「DAIGOのおじいちゃん」といったほうがわかりやすいだろうか?
さらに、周知の事実かもしれないが、DAIGOの姉はBL・少女漫画家の影木栄貴だ。ちなみに『私がモテてどうすんだ』のぢゅん子は彼女のアシスタントを務めていたそう。
その影木栄貴自身によるエッセイ『エイキエイキのぶっちゃけ隊!!』のなかに、ありし日の竹下登の姿が描かれている。
作中では、優しいが変わり者だった祖父・竹下登との思い出の数々が描かれ、ほほえましいのと同時に、総理になる人はやはりちょっと違う? とも感じさせる。
亡くなる直前の竹下氏と著者やDAIGOとのやり取りや、当日のこと、葬儀後の喪失感はほろりとくる。多感な時期に周囲から有名な政治家の孫と見られてつらかったことや、自宅である竹下邸で消費税反対派からデモをされた経験なども吐露されているが、明るく家族愛にあふれた筆致で描かれており、また客観的な分析も光っている。
著者によると竹下氏は重度の「政治オタク」で、その血を受け継いだ可能性が高いそう。
政治についての評価は専門家に任せるとして、竹下登がいなければ『LOVE STAGE!!』などの作品も生まれなかったし、国民的人気を誇るDAIGOも、この楽しいファミリーも存在しなかったのでは。
『エイキエイキのぶっちゃけ隊!!』が出版された2009年以降、年を経て著者や一家の状況も変遷していると伝えられているが、2016年1月に発表されたDAIGOの結婚は大ニュースだった!
しかもお相手は実写版『美少女戦士セーラームーン』のセーラーマーズ役で女優デビューした(!)北川景子! 著者のブログでも、じつの妹のように仲よくしていると伝えられたり、似顔絵が掲載されたりしている。
増えたファミリーのお話もぜひ読みたいし、亡きお祖父様への近況報告としても、続編の期待が高まるところだ。
<文・和智永 妙>
『このマンガがすごい!』本誌やほかWeb記事などを手がけるライター、たまに編集ですが、しばらくは地方創生にかかわる家族に従い、伊豆修善寺での男児育てに時間を割いております。