日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『干支天使チアラット』
『干支天使チアラット』 第1巻
中川ホメオパシー リイド社 ¥630+税
(2016年9月28日発売)
「干支天使」と書いて“エトランジェル”と読む。表紙を見るかぎりまっとうな美少女バトルものに思えるが……はい、「美少女バトルもの」は間違っちゃいないのだけど、風味はかなり毒強め!
ヘンテコな生き物・ヌエに生まれ持った資質を見出され、「干支天使」に変身する根住野(ねずみの)レミは狡猾極まりない女子高生。
悪を倒すことに興味はないけど、もともと残虐なタチなせいか――楽しげに、キュートな笑顔を振りまきながらバカスカ殺っちゃいます。
レミ(チアラット・干支=ねずみ)に加え、おっとり巨乳の牛尾くるみ(チアミルク・干支=牛)、生意気だけどウブな虎縞コハク(チアタイガー・干支=虎)の3人娘が、どこから見てもド変態な強敵どもを相手に丁々発止を繰り広げる!
単なるドタバタではなく、どのひとコマをとってもギャグセンスがあふれる言葉の魔術師ぶりに感嘆。
有名マンガのアンタッチャブルなパロディもガンガン飛び出して腹いてえ?!!
こういうムチャクチャに無軌道で元気なギャグマンガを待ってた、という方は、同日に発売となった中川ホメオパシー作品『バトル少年カズヤ』もぜひ。
「不謹慎」、「自粛」といった言葉がやたら飛びかう息苦しい世のなかに風穴を開けてくれる大傑作だ。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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