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10月24日は国鉄(当時)新宿駅に「押し屋」が登場した日 『終電ちゃん』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/10/24


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

10月24日は国鉄新宿駅に押し屋が登場した日。本日読むべきマンガは……。


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『終電ちゃん』 第1巻
藤本正二 講談社 ¥570+税


きょう10月24日は国鉄(現JR)が「押し屋」を導入した日である。

朝夕のラッシュ時、乗客や荷物を列車内に押し込む役割のことを「押し屋」といい、1955年10月24日に新宿駅で初めて導入された。当時の名称は「旅客整理係学生班」といい、おもに大学生がアルバイトで雇用された。
「押し屋」は人を押しこむという、都市部ならではの特殊な仕事だ。現在でも「サービススタッフ」などの名で知られ、鉄道各社が定期的に人員を募集している。

鉄道と駅を舞台にした作品といえば、藤本正二『終電ちゃん』がある。
終電ちゃんとは、各路線の鉄道の最終電車にいる少女で、乗客の誘導や列車の運行に携わる。連載開始当初は「終電擬人化」と紹介されることが多かったが、乗客や運転士とコミュニケーションを取ったり、終電後は電車の上で寝ていたり、接続路線の終電ちゃん同士でやり取りをしたりと、擬人化というよりは「終電の精霊」的な存在といえるだろう。

終電を舞台とした乗客と終電ちゃんの人間ドラマが毎回描かれる。
主人公は中央線の終電ちゃんで、口は悪いが乗客想い。終電の発車時間をオーバーしてでも、全員を終電に乗せようと奮闘する。走行中は電車の上に乗る終電ちゃんは、発車間際には「押し屋」の業務もこなすのだ。

これから年末にかけて、終電で帰る機会も増えるかもしれない。
そんな時は、終電ちゃんを困らせないように注意しておきましょう。



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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