日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『はるかなレシーブ』

『はるかなレシーブ』第2巻
如意自在 芳文社 ￥590+税
（2016年10月12日発売）

ビーチバレーの魅力。
2人チームの絆がすごく強い。試合展開が早い。風に左右されるので勘が必要。人数が少なく相手の腹を読みあうのが重要。
そして、ものすごく健康美あふれている。
マンガの題材として、おもしろいところだらけだ。

背が高い少女・大空遥。背が小さい少女・比嘉かなた。
沖縄で出会った2人は、海辺でビーチバレーの練習をしている女の子たちに出会う。
興味津々な遥。さっそくビーチバレーの仕方を教えてもらう。身長に恵まれた彼女には、ぴったりなスポーツ。楽しくて仕方ないといった様子。
ところがかなたは、とても複雑な顔をする。かなたもまた、ビーチバレー経験者だったのだ。

この作品が重視しているひとつめのポイントは、チームの相方との、かけがえのないつながりだ。
おおらかな遥。心に問題を抱えていたかなたを受け止めつつ、それでもいっしょにプレイしたい、と強く願う。
その思いが、かなたを強く励まし、動かした。
かなたと遥が力を合わせるようになることで、せつない思いをすることになる少女もいる。みんなハッピーとはいかない。
パートナー選びは、人生を左右するほどの決断だ。

第2巻では遥とかなたのチームが全国レベルのペアから指導を受け、猛練習の末大会に出場。初めて公式の試合に出る。
相手チームももちろん2人。登場するキャラクターは単一で行動することがない。

二人三脚になった少女たちは、勝利の幸せも、敗北の苦しみも、半分こだ。
「敵」なんていない。みんな必死。だから出てくるすべてのペアを応援したくなってしまう。

もうひとつのポイントは、8割がたのページが水着だということ。
動きやすくするためにぴっちりそろえたペアの水着（チームは同じ水着じゃないとだめ）。そこから伸びる長い手足、鍛えられた肉体。
しなやかな肢体が飛び回る姿は、青春まっさかり、キラキラと輝いている。

非常に眼福なうえに、ゾクゾクするほど熱血。
遥とかなたの絆で、ぜひとも全国大会に行くくらいまで魅せてほしい。
個性豊かな対戦相手の登場も楽しみで仕方ない。

＜文・たまごまご＞
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」