365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
12月7日の今日は神戸開港記念日。本日読むべきマンガは……。
『一緒に遭難したいひと』 第3巻
西村しのぶ 講談社 ¥800+税
12月7日の今日は、神戸開港記念日。
慶応3年12月7日(新暦1868年1月1日)、神戸港が外国船の停泊地として開港したことに由来し、神戸市が制定したもの。
さて神戸といえば、小じゃれた女子やマダムが闊歩しているイメージがあるが、その雰囲気をそのまま自分のタッチとして打ち出している漫画家がいる。
兵庫県出身、西村しのぶ。
『サード・ガール』、『ライン』などに代表されるおしゃれで華やかな絵柄が、根強い固定ファンを引きつけている。
長いこと神戸を拠点としていたため、マンガの舞台にも神戸が多く使われるが、今日はそのなかでもゆるめのハッピーストーリーが人気の『一緒に遭難したいひと』をご紹介しよう。
主人公・キリエ。フリーライターときどき無職。
ダーリンは2つ年下のマキちゃん、税務署勤めの公務員。
確定申告に行った先で知りあった2人は、いつしかちょっとテンポのずれたゆるいカップルに。
キリエは健康無頓着派、一方同居しているいとこの絵衣子はヘルシーなラクトベジタリアンのバニーガール。
常に清貧生活のキリエと絵衣子だが、自由人の彼女たちは、お茶に散歩に百貨店「こらしめ」にと、楽しく元気なハッピーライフをきょうも続けている――。
ストーリーの基本は、「主人公キリエがマキちゃんの愛に包まれながら、いとこの絵衣子ほか友人たちと、貧しいながらも楽しい生活を送る」といったところ。
第1巻では、お正月にお金のない2人をマキちゃんが実家の淡路島に連れて帰ったりと、ほのぼのなごむ場面がいっぱいだ。
肝心の神戸港だが、第3巻に登場する。
彼氏とケンカして神戸にやってきた、キリエたちの東京の友人・ショーコに、マキちゃんが友人の男性を紹介してくれる。
そのひとりが、海上保安庁勤務の堀川くん。
神戸港で巡視船「せっつ」を紹介してくれたりと、突然海保マニアも楽しめる内容になっているあたりも、なんでもありなこのマンガなら許せてしまうのだ。
じつは神戸港、来年の2017年で開港150年とのこと。 すでに開催されているイベントもあるようなので、きょうの記念日をきっかけにぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」