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1月20日は「デヴィッド・ボウイの日」 『スティール・ボール・ラン』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/01/20


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

1月20日はデヴィッド・ボウイの日。本日読むべきマンガは……。


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『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』 第1巻
荒木飛呂彦 集英社 ¥390+税


現在、その生涯を振りかえる大回顧展が東京で開催されているデヴィッド・ボウイ。
昨年1月10日に急逝したことで世界中のファンが悲しみに包まれたが、あらためてその存在の大きさを再確認することにもなった。

そんな彼の死を悼み、ニューヨーク市長のビル・デブラシオが1月20日を「デヴィッド・ボウイの日」(David Bowie Day)と宣言した。
これはボウイが共同制作として名を連ねる舞台作品『ラザルス』が、ニューヨークでの最終公演をこの日に迎えたことに由来するもの。誕生日(1月8日)でも命日ではないので、いまひとつピンとこないかもしれないが、とりあえず1月はデヴィッド・ボウイに因んだ日が多いということは覚えておいていただきたい。

ミュージシャンという枠にとらわれず、あらゆるアートやファッションとも深く関わりのあるボウイは、様々な方面に与えた影響も非常に大きい。もちろん日本のマンガも例外ではなく、彼をモデルとしたキャラクターは数知れず。
しかし、それらはボウイが「美形」というところに着目したものであることが多いのだが、俳優としてのボウイは『地球に落ちてきた男』のトーマス・ジェローム・ニュートン(正体は宇宙人)や『ラビリンス/魔王の迷宮』の魔王・ジャレス、あるいは『ツイン・ピークス ローラー・パーマー最期の7日間』で突然消滅してしまうFBI捜査官・ジェフリーズといったクセのあるキャラや悪役を好んで演じていたことを思うと、なるべくインパクトのあるかたちでボウイが関連した作品をピックアップしておきたいところ。

……となると、その筆頭は『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』(以下『SBR』)が挙げられるだろう。
アートやファッションとの関わりが深く、かつ他のアーティストに与えた影響も大きいという点でも、『ジョジョ』はデヴィッド・ボウイと共通してますしね!

ご存じの方も多いとは思うが、『ジョジョ』シリーズはミュージシャンやその楽曲を“元ネタ”とするキャラクターが非常に多い。もちろんデヴィッド・ボウイも例外ではなく、第4部のラスボスにして、少年マンガのリミットを超えていた感もある殺人鬼・吉良吉影のルックスはかなりボウイに似ていたりするのだが、確実なかたちで引用されたのは『SBR』に登場するスタンド「スケアリーモンスターズ」が初。元ネタはボウイの13枚目のアルバム『スケアリー・モンスターズ』である。

スタンドのほうは「生物を恐竜にする」という能力で、当初は刺客のフェルディナンド博士のスタンドではあったが、その能力がディオことディエゴ・ブランドーに引き継がれてからが本領発揮。
シリーズを通しての永遠のライバルであり、悪ではあるものの、確固たる美学とプライドを持つディオというキャラクターに、ボウイは「実になじむ」のではないだろうか。

なお本日1月20日は、世間的にはアメリカ合衆国大統領就任式の話題で持ちきりであると思われるが、『SBR』にはファニー・ヴァレンタインという強烈なアメリカ合衆国大統領が超強敵として登場したことも忘れがたい。
ヴァレンタインは「自国民の幸福のためなら、他国の人民がどうなっても構わない」という思想を持つ大統領で……って、あれ? 気のせいか、その点はだれかに似ているような……。

まさか、新しい大統領はスタンド使いだったりしませんよね?



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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