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【『このマンガがすごい!2018』オトコ編 堂々第1位!!】白井カイウ(原作)×出水ぽすか(作画)『約束のネバーランド』【インタビュー】「ジャンプ」らしくない? いいや、これこそ最高の「ジャンプ」マンガ!! “天才”原作ד神”作画の“最強”タッグに迫る!!

2017/12/25


人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、白井カイウ先生(原作)×出水ぽすか先生(作画)!

「週刊少年ジャンプ」掲載開始直後から大反響を呼び、あっという間に累計発行部数100万部を越えた脅威の作品『約束のネバーランド』。
勢いそのままに、注目マンガが目白押しの大激戦を制し、本作は見事『このマンガがすごい!2018』オトコ編第1位を獲得しました!!

『このマンガがすごい! 2018』
『このマンガがすごい!』編集部(編) 宝島社 ¥550+税
(2017年12月9日発売)

小さな孤児院グレイス=フィールドハウスで過ごす3人の主人公・エマ、ノーマン、レイ。優しい“ママ”と仲間の子どもたち、幸せで穏やかな暮らしが、ずっと続くと思っていた……。しかし、その平穏は唐突に終わりを告げる。
明らかになった孤児院の正体と、残酷な世界の仕組み。
真実を知ってしまった彼らは、生きるため、“脱獄”を決意するのだった――!!

“脱獄”ファンタジーという斬新な作品、そして、2人の先生がコンビを組むに至った誕生秘話、そして、その作品の秘密には、読者の方々も興味津々! 本誌『このマンガがすごい!2018』 でも、8ページにわたる豪華インタビューが掲載中です! 

そして今回、誌面の関係上、紹介しきれなかったお話を盛りこんだディレクターズカット版として、『このマンガがすごい!WEB』限定で原作担当・白井カイウ先生と作画担当・出水ぽすか先生へのインタビューをお届けします! 全マンガファン注目のインタビュー、刮目してご覧あれ!!

原作:白井カイウ

原作担当。2015年「ジャンプ+」読切作『アシュリー=ゲートの行方』で原作者デビュー。 2016年「少年ジャンプ+」読切作『ポピィの願い』にて作画・出水先生と初のコンビ作品を発表。 両作の大反響を経て、同年8月から『約束のネバーランド』を「週刊少年ジャンプ」にて連載中。

作画:出水ぽすか

作画担当。「pixiv」にて人気イラストレーターとしても活躍。「月刊コロコロコミック」『魔王だゼッ!!オレカバトル』連載など漫画家としても活動。 2016年「少年ジャンプ+」読切作『ポピィの願い』で「ジャンプ」デビュー、同年8月から『約束のネバーランド』を「週刊少年ジャンプ」にて連載中。

“最強”タッグによる「ジャンプ」らしい作品

──両先生にとって「週刊少年ジャンプ」(以下「ジャンプ」)での初連載作品が、オトコ編第1位に選ばれました。

白井 まったく想定していなかったので、お知らせをいただいた時には驚きました。とてもうれしいのですが、一方でたいへん恐縮しています。出水先生、担当編集さん、コミックスの編集さん、デザイナーさん、そしていつも応援してくださっている読者のみなさまと、この喜びを分かちあいたいです。

出水 手放しに喜びたいですが、これからたくさんの人に見ていただけると思うと、焦るような照れるような気持ちでいっぱいです。

(画像)©白井カイウ・出水ぽすか/集英社
練りこまれた世界観、“脱獄”を目指す子どもたちと“ママ”や“鬼”たちとの頭脳戦、そして主人公・エマたちが見せる勇気……。
あふれる魅力が読者に響いての第1位獲得、おめでとうございます!

──連載開始までの経緯は?

白井 私はもともとマンガの投稿や持ちこみをしていたのですが、ハシにも棒にもかかりませんでした。そこで別の仕事の技能試験を勉強していた際に、思いいたったネームをノート2冊に描いたところ、それを友だちがほめてくれました。そのネームが『約束のネバーランド』のプロトタイプだったのですが、その時点で300ページを超えていたんです。

──300ページ!

白井 ページ数が多いうえに、読切サイズにできる企画でもなかったのでお蔵入り必至だったんですが、友だちが「ネームでもいいから持ちこんでみな」と後押ししてくれたんです。それを現在の担当編集さんが思いのほかほめてくださって、拾ってくれました。だから私は「脱サラ系原作者」ですね(笑)。

──どうして持ちこみ先に「ジャンプ」を選んだのですか?白井先生の作風からすると、より規制の少ない青年誌を選ぶという選択肢もあったのではないかと。

白井 「ジャンプ」が好きだったからです。拾っていただいたあとで「あ、自分は少年誌向きじゃなかったかも」と気づきました。

──本作は、読者から好意的な意味で「『ジャンプ』らしくない」と評されることも多いようです。「少年ジャンプ+」ではなく「週刊少年ジャンプ」本誌で連載を目指したポイントはどこですか?

担当 一見すると「ジャンプ」には珍しいたたずまいの企画だと思います。しかし本質的な部分では、圧倒的な逆境や試練を、努力と友情で乗り越えて、“脱獄”という勝利をつかもうとする「『ジャンプ』らしい」活劇です。白井先生が初めて持ちこみにきてくださった時から「『ジャンプ』本誌でやるからこそ、新しいおもしろさのある作品にできるはずだ」とお話しして、当初から本誌連載を目指していました。

──では、その300ページのネームをもとにして、そこから連載に向けての準備を始めたのですか?

白井 ネームを練りあげながら作画の先生を探していました。それを兼ねて別の読み切り作品を描いて、そのうち2作(『アシュリー=ゲートの行方』『ポピィの願い』)を「少年ジャンプ+」に載せていただきました。

──出水先生とは、2作目の『ポピィの願い』からタッグを組みます。

出水 最初は「(読み切りを)掲載できるとはかぎらない」「連載できるかもわからない」との話でした。それまで私はゲームや小説の装丁画などイラストを描いたり、「月刊コロコロコミック」(小学館)などで児童向けの作品を描いていたのですが、ちょうど連載が終了するタイミングだったので、時間をかけてでも挑戦しない手はないな、と。

──どうして出水先生を?

白井 出水先生こそ“最強”だと考えていました。

──“最強”ですか! 「ジャンプ」らしいフレーズですね!

白井 すごい怪物が描ける、子どもがかわいい、中性的な女の子も得意、豊かな表情で人間の二面性も描ける、世界をつくれる、料理食材の絵がおいしそう……などなど、数えきれない点で“最強”だと思っていました。「断られてもいいから、つながりを持っておきたい」という気持ちで、ダメもとで読み切りの作画をお願いしたんです。

(画像)©白井カイウ・出水ぽすか/集英社
怪物、子ども、緊迫した表情……。
第1話から、白井先生が求める要素が盛りだくさんの出水先生の画が読者を迎える。

──出水先生は、白井先生のネームを最初に読んだ時の印象は?

出水 『ポピィの願い』と『約束のネバーランド』のネームは同日に読んだんですけど、「あれ、思ってたのと全然違う!」でした。

──これまでの出水先生の作風とはかなり違いますからね。

出水 まず「ジャンプ」っぽくない内容に驚きつつも、構成力に圧倒されました。たとえば学校の授業にしても、教える範囲は同じであっても、先生によって授業のおもしろさが全然違ったりしますよね。それと同じことです。白井先生は「見せ方」の天才ですね。当時の私は児童向けを描いていたので、いきなりサスペンスをやるのには不安もありましたけど、「やります!」と。「どれを描いてみたい?」といろいろ提示されましたけど、『ポピィの願い』を選択しました。

白井 快諾してもらえて本当によかったです。出水先生は超絶&超速作画でまさに「神!」です。

タッグでマンガをつくるとは? 制作の裏側に注目!!

──白井先生からの原作は、どのようなかたちで出水先生のもとに届くのですか?

出水 ネームの状態で受け取ります。そのネームに、かなり詳細な指示が書かれています。それをできるだけ汲めるようにがんばります。

──いわゆる「ネーム原作」ですね。

出水 最初はコマの小ささにとまどいましたけど、だんだん細かいところも描けるようになってきたと思います。「ネーム原作だと窮屈ではないか?」と、たまに聞かれることはあります。でも、窮屈なことはまったくないです。作風も今までの自分の作品とはかなり違うので、つくったものがこれから自分の作風になっていくのが不思議でもあり、最高の楽しみです。

(画像)©白井カイウ・出水ぽすか/集英社
【ネーム】

(画像)©白井カイウ・出水ぽすか/集英社
【完成原稿】
超貴重なネームと完成原稿の比較! コマ割りの変化にも注目したい。

──コミックスの著者近影コメントを見ると、白井先生は出水先生の描く絵をかなり楽しみにされているようですね。

白井 私も以前は完成原稿の形で投稿したり、持ちこみしたりしていた時期はありました。ですが、いま思えば「絵も話もぜんぶ自分で!」という感じでもなかった気がします。出水先生のお描きになられる人物はイキイキしていて、まさに命が吹きこまれた感じがして、まずそれが楽しいです。

──出水先生は、以前とは絵柄が変わりましたよね?

出水 絵柄は過去の自分の絵と同じにならないように、新しくつくり直してます。児童向けだった自分のデフォルメ絵を、パン生地みたいに伸ばして、人間らしい頭身に変えて、そこに白井先生の風味をくわえました。それから……「ジャンプ」! 昔読んだ「ジャンプ」のイメージと、いまの「ジャンプ」っぽさもくわえて、すごくミックスしています。児童マンガとしてではなく、少年マンガで子どもを主人公にする時に子どもの世界をどうやって表現しようかな、と考えました。子どもの頃に自分が子どもの目線で感じていたような風景を、この世界に落としこんでいけたらいいですね。

取材・構成・執筆:加山竜司


両先生への貴重なインタビューもっと読みたいですが、今回はここまで! お2人の“タッグ”としてのお互いへのリスペクトと信頼がうかがえるお話は、まさしく「友情」「努力」「勝利」の「ジャンプ」らしいものでしたね!!

もっともっと、先生方へのインタビューが読みたい!! というあなた! 現在大好評発売中の『このマンガがすごい!2018』では、お2人への貴重なインタビューが超ボリュームの8Pで掲載されています!! 本作をつくるうえでの、白井先生が語る設定の秘密、出水先生のキャラ描き分け極意……などなど貴重な話ばかり!! 気になる方は下記をクリック!

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\次回予告/
お2人へのインタビュー第2弾もアップ予定!! 単行本の細部に施された秘密や、先生方に影響をあたえた作品など 第2弾も超・超・超注目! 
公開は2018年1月8日(月・祝)を予定していますので、こちらもチェックしてください!

大事なのでもう一度!

『このマンガがすごい! 2018』
『このマンガがすごい!』編集部(編) 宝島社 ¥550+税
(2017年12月9日発売)

 

『このマンガがすごい! 2018』は絶賛発売中 です!
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