話題作『魔法自家発電』は、あの萩尾望都先生も注目!?
——コミックスが話題となって、気持ちや環境に変化は?
谷 だんだん現実味がでてきました。1冊目の『いちばんいいスカート』が出た時は、うれしかったんですけど、「そんなに刷って大丈夫?」と思っていました。だって刷りすぎて廃棄処分されちゃったらいやですよね……。
——そんなネガティブな(笑)。2冊目の『魔法自家発電』の際は?
谷 (自身の単行本が)複数になったなあ、と(笑)。
——それは、谷先生なりのよろこび方ということでよろしいでしょうか?(笑)。 そんな『魔法自家発電』ですが、なんと帯に萩尾望都先生からコメントをいただいていましたね!
担当 (萩尾先生に)コメントを打診させて頂いたら、「意欲的な作家さんですよね」と覚えていてくださって。「お好きなものを使ってください」と、3パターンもコメントを書いてくださったんです。そのことを谷先生に伝えたら、泣き出してしまって(笑)。
——「ここにあったの? 探していたの。手編みのような手触りの谷和野ワールド。不思議で甘くてビター風味、癖になりそう」という萩尾先生の言葉はとても的確に谷作品の魅力を表現しているように感じます。泣いてしまうほどだったということですが、実際にどんなお気持ちでした?
谷 「あー、萩尾先生は実在してたんだー……!」って。
——(笑)。でもたしかに雲の上の存在ともいえる萩尾先生からもらえるなんて、夢のような出来事ですよね。萩尾先生の作品をお読みになったことは?
谷 もちろん、読んでいます。ただ、どれがいちばん好きなんだろうと考えてはみるのですが、いつもなかなか絞りきれないんです。あの作品はあちらがわがすばらしいし、この作品だとこちらがわを向いてまたすばらしくて……ってなっちゃって。でも強いてあげるなら「A-A'」、「訪問者」、「エッグ・スタンド」「この娘うります!」「メッシュ」「柳の木」「なのはな」「トーマの心臓」でしょうか。すみません、全然しぼれてませんね。
——いえ、それぐらい萩尾先生の作品はお読みになっていると。
谷 はい。初期の作品もあげさせていただくなら、「秋の旅」「ビアンカ」も好きなんです。
——そんな憧れの萩尾先生に、実際にお会いしたことはありますか?
谷 先日、お目にかかる機会がありまして、その時に直接お礼も言えました。