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【インタビュー】織田涼『能面女子の花子さん』 家柄よし、スタイル抜群……でも能面をつけた女子高生って!? 異色ヒロイン・花子さんを徹底解剖!

2017/01/30


人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、織田涼先生!

能面をかぶった女子高生・泉 花子が主人公という、「ITAN」発の異色学園コメディ。
『このマンガがすごい!2017』オンナ編にランクインするなど、今話題の本作のキーポイントは、なんといってもヒロインの花子さん。
家柄よしで、スタイル抜群、何事にも動じないメンタルの持ち主で、さらにはユーモアも満点。でも、そんな彼女が周囲の視線を集める最大の理由は……能面をかぶっているから!?
見た目はちょっとホラーだけれど、気づけば読者を虜にしてしまう花子さんの魅力、そしてこの快作がいかに生まれたのか、著者の織田涼先生にうかがいました!

著者:織田涼(おだ・りょう)

「ITAN新人賞」(第11回スーパーキャラクターコミック大賞優秀賞&Yahoo!ブックストア賞)を受賞し、同誌でデビュー。
『能面女子の花子さん』は、『このマンガがすごい!2017』オンナ編第19位にランクイン。
現在「ITAN」で連載中の同作は、既刊2巻が好評発売中。

花子さんは小面を擬人化したキャラクターなのかも!?

――『このマンガがすごい!2017』オンナ編第19位ランクインおめでとうございます!

織田 ありがとうございます。寝耳に水だったので驚きました。とてもうれしかったです。

――「○○女子」という言葉を使ったマンガ作品は多々ありますが、能面女子というのは斬新! 織田先生はもともと能がお好きだったのでしょうか。

織田 マンガを描くにあたって自分の名札になるような、キャッチーな題材を探していました。私の絵柄を考えると、日本の伝統文化をテーマにするとよいのではと思っていたときカルチャーセンターで能面と出会い、「これをマンガにしたら絶対おもしろい」と思ったんです。なので、もともと能が好きだったわけではありません。

――そうでしたか。本作というと、とにかく花子さんの魅力が最高です! 家柄がよく優等生とくればお高い性格なのかと思いきや、予想を裏切るフランクさ。お茶目で活発で、見た目とのギャップがたまりません。制服のスカートを短くしていたりするところとか。

スタイルも抜群で、今時の女子高生らしく、スカートも短めの花子さん。登場の仕方は、なんともエレガンスだ。

スタイルも抜群で、今時の女子高生らしく、スカートも短めの花子さん。登場の仕方は、なんともエレガンスだ。

織田 「ITAN」新人賞をいただいてデビュー作となった読みきりマンガ(1巻に収録)の時は、花子はもう少し俗っぽいというか、普通の女子高生っぽいキャラクターだったんです。「普通の女子高生×能面」というおもしろさを表現するためにそうしていましたが、いざ連載を始めるとなると、花子が普通すぎると話が続きません。
そのため、私の持っている小面のイメージである「上品な女性」を花子に重ねてみました。その結果、今の花子の性格になっています。花子は小面を擬人化したキャラクターなのかもしれません。デビュー作が「女子高生がもし能面をかけたら?」だったのが、連載では「擬人化した小面がもし女子高生だったら?」になった感じでしょうか。

――奇異の目で見られてもまるで気にしない花子さんの性格づけはそこが軸になっているんですね。ギャグマンガでありつつ、この主人公像には勇気づけられたり、視野を広げてくれるものがあると感じています。

織田 「勇気づける」「視野を広げる」という要素はまったく意識していなかったのですが……ただ、読んでいる人がイヤな気持ちにならないような物語を描きたいと思っているので、そのような感想をいただけてうれしく思います。
主人公である花子が周囲の視線によって落ちこんだり心が折れてしまったりすると、読者も悲しい気持ちになってしまうと思うので、花子には物事に動じないキャラクターになってもらったという経緯もあります。

能面をつけているから表情は読めないけれど、それでも動じていなさそうな花子さん。こんな友だちがいたら心強い。

能面をつけているから表情は読めないけれど、それでも動じていなさそうな花子さん。こんな友だちがいたら心強い。

――その動じなさがかわいいんですよね。

織田 2巻のオビにもあるのですが、花子を「かわいい」といってもらえることが非常に驚きでした。「かわいい(笑)」なのかなと思っていたのですが、どうやら本気でかわいいと思ってもらえていたようで……。

――直球でかわいいですよ!

織田 主人公である花子を好意的に受け止めてもらっているのはうれしかったのですが、最初は戸惑いました。私は花子を、危なっかしいとずっと思っていたので。

――たしかに「動じない」を超えて、フラットすぎるかも(笑)。

おばけ役ならば自分が適任だろうと、自らいばらの道を突き進んでいく花子さん、ステキ!

おばけ役ならば自分が適任だろうと、自らいばらの道を突き進んでいく花子さん、ステキ!

織田 花子は自分が置かれている状況に対して客観的すぎると思っていましたし、もう少し深刻に考えてもいいのでは、と思ってしまうんです。

――ひたすらマイペース。とはいえ「怖がられている」ことを悩んだりせず、当たり前に受け入れている花子さんの性格は生まれつき?

織田 生まれつきの部分もあるでしょうし、育った環境もあると思います。花子の場合は、お母さんが心配性なので、自分は一歩引いた目で見るような性格になったのではないでしょうか。

――花子さんのお母さんは自分が同じ苦労をしているだけに、心配性になってしまうんでしょうね。

織田 描いている私の目線は、北山先生と花子のお母さんを足して2で割った感じです。

お母さんは般若……泉家っていったい何者!? 2巻には香穂たちが花子さんの家に遊びにいくエピソードもあるので、要チェック!

お母さんは般若……泉家っていったい何者!? 2巻には香穂たちが花子さんの家に遊びにいくエピソードもあるので、要チェック!

――あ、そこは花子さんでも香穂ちゃんでもないんですね!?

織田 香穂は、花子よりは感情移入しやすいですが、花子に共感することはまったくといっていいほどありません。北山先生と花子のお母さんは自分に似ているので思い入れは強いのですが、自分と似ているぶん、描いているとつらいです。その2人がおもしろいと言われることも多いのですが、うれしい反面、なんとも言えない気持ちになります(笑)。

単行本情報

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  • 『能面女子の花子さん』第2巻 Amazonで購入

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