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『BEASTARS』(板垣巴留)ロングレビュー! 「けものヒューマンドラマ」から見えてくる生々しい“人間ドラマ”

2017/04/09


話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!

今回紹介するのは『BEASTARS』

『BEASTARS』著者の板垣巴留先生から、コメントをいただきました!

著者:板垣巴留

取り上げていただいて光栄です。
ここに出てくる動物たちは、みんな一生懸命生きてます!
2巻も出るので、彼らの成長を見守っていただけたら幸いです。


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『BEASTARS』第1巻
板垣巴留 秋田書店 ¥429+税
(2017年1月6日発売)


「週刊少年チャンピオン」で本作の連載がスタートした時、正直なところ1話目では
「これはおもしろいマンガだ!」
という確信はなかった。ただ未知のものに触れた異様な胸騒ぎを感じたことだけははっきりしていた。

舞台は動物たちが暮らす全寮制の学校。ウサギやリスといった小動物、シカやウマ、キリンやゾウも一律に二足歩行でシャンと立ち、制服を身につけている。
しかし、その《獣》ならではの体はデフォルメされすぎず……つまりはいわゆる動物キャラの持つ“かわいさ”は備えておらず、いい意味で“今っぽくない”絵柄の個性も一見して強い印象を残す。

様々な動物たちが、それらしいサイズ感で描かれる。フラミンゴの足の細さはリアルでちょっと衝撃。

様々な動物たちが、それらしいサイズ感で描かれる。フラミンゴの足の細さはリアルでちょっと衝撃。


いきなり物騒なエピソードで始まる第1話からして、本作の特性をはっきりと伝えている。
ある日、オスアルパカのテムが校内の講義室で惨殺されるという事件が勃発。警察はこの学校の肉食獣があやしいという見方をしており、生徒たちはテムと親しくしていたハイイロオオカミのレゴシに疑いの目を向ける……。

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この学校ではあらゆる動物たちが暮らしをともにするものの、肉食動物と草食動物の居住エリアははっきりとわけられている。学園生活においては“種”の垣根を超えて友人づきあいをしているが、“本能”の面ではどうなのか、といった厳しいテーマが突きつけられる。
矛盾を承知で名づけるならば、これは“動物版・ヒューマンドラマ”!?

ハイイロオオカミのレゴシが暮らすのはイヌ科動物ばかりの6人部屋。ルームメイトはブチハイエナ、コヨーテ、イングリッシュシープドッグ、フェネック、ラブラドールレトリバーと様々。

ハイイロオオカミのレゴシが暮らすのはイヌ科動物ばかりの6人部屋。ルームメイトはブチハイエナ、コヨーテ、イングリッシュシープドッグ、フェネック、ラブラドールレトリバーと様々。


単行本情報

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