パチンコ、パチスロ、競輪・競馬に競艇・オートレース……。国内の公営ギャンブルからマンガの世界(だけ、ですよね?)の地下賭博まで、人の心をとらえて離さない、ギャンブルという魔物。
近年は『カイジ』シリーズや話題の『賭ケグルイ』など、エンタメ性を重視した、完全フィクションタイプのギャンブルマンガも人気ですが、まだまだリアル路線のギャンブルマンガも熱い!
そこで今回は、「麻雀・パチンコ・競馬」をテーマにした、リアル路線ギャンブルマンガに注目!
「ギャンブルでつくってしまった借金を、ギャンブル関係の原稿を執筆することで返済した」という、まさにギャンブラーの鑑(!?)なエピソードを持つ、ライターの奈良崎コロスケさんに、オススメの3作品を選んでもらいました!
[※2013年から2014年12月に発売されたマンガ単行本のなかから選出をお願いしています]
奈良崎コロスケさんイチオシの3作品!
『麻雀小僧』押川雲太朗
『麻雀小僧』第10巻
押川雲太朗 竹書房 \648+税
(2014年9月5日発売)
一度卓についてしまえば最後、老若男女関係ナシでバトルロワイアルを繰り広げるのが、麻雀というゲームのおもしろさ。
まー坊がニコニコしながらえげつない上がりを連発し、高レートの場をわたり歩いていく姿にワクワクする。
また、押川雲太朗作品の人気者が続々登場し、全員が見せ金1億円の客船麻雀を目指して闘牌する、オールスター的世界観も最高。
『モッちゃん ~ドン底でも救われる言葉~』尾上龍太郎
『モッちゃん~ドン底でも救われる言葉~』
尾上龍太郎 ガイドワークス \1,200+税
(2014年7月17日発売)
苦境に立たされたパチンカーに「俺が打とう、お前の金で」と申し出る謎の中年男“モッちゃん”の活躍を描いた、空前絶後のホールファンタジー。
新書の形をとっているが、中身は純粋なマンガ作品なのでご安心を。
勝った負けたの実戦モノばかりになってしまったパチンコマンガ界において、独自の人間ドラマを紡ぐ『モッちゃん』が16年以上も続いていることは奇跡的!
『ウイナーズサークルへようこそ』甲斐谷忍
『ウイナーズサークルへようこそ』第6巻
甲斐谷忍 集英社 \600+税
(2014年11月19日発売)
競馬マンガの定番は、血統のドラマや名勝負物語だが、甲斐谷忍は徹底的に馬券をつきつめ、競走馬やジョッキーに対するロマンをオミットした。
主人公は漫画家になる夢が破れて落ち込んでいた、三流大学生のナナオ。そんな彼がひょんなことから競馬に出会い、思わぬ才能(パドックを見る力)を開花させる。
そんなナナオを使って一儲け目論む馬券予想サークル「ウイナーズサークル」の面々。
彼らはさまざまな馬券術を構築し、的中しては祝勝会、外れては反省会……。笑って泣いて飲んでじつに楽しそう。
競馬人気が低迷している今、馬券からのアプローチで読者を競馬場へ誘うパワーに満ちた本作の存在はとても貴重だ。