まだまだこんなにある! 日本が誇る「忍者マンガ」大紹介! Wasshoi!!
『ニンジャスレイヤー』ブラッドレー・ボンド/フィリップ・N・モーゼズ(作)田畑由秋(脚)余湖裕輝(画)本兌有/杉ライカ(訳)わらいなく(キャラクターデザイン)
『ニンジャスレイヤー』第3巻
ブラッドレー・ボンド/フィリップ・N・モーゼズ(作)田畑由秋(脚)余湖裕輝(画)
本兌有/杉ライカ(訳)わらいなく(キャラクターデザイン)
KADOKAWA 580+税
(2014年11月7日発売)
先ほど紹介した『ニンジャスレイヤー グラマラス・キラーズ』の本編です。
もともとはTwitterで連載されていた小説で、独特の“忍殺語”が話題となりました。壮絶なアクションと「海外から見た奇妙な日本像」の脱力さ加減というギャップは、一読の価値あり!
そして、なんと今春、アニメ化も始動! その名も『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』。……誤字じゃないですよ。「アニメイシヨン」、始まります!
『変身忍者 嵐』石ノ森章太郎
秋田文庫『変身忍者 嵐』第1巻
石ノ森章太郎 秋田書店 629+税
『黒い風』など、じつは名作忍者マンガも多数発表している石ノ森章太郎による作品。『ニンニンジャー』のルーツである『秘密戦隊ゴレンジャー』と同様、特撮ヒーロー作品として実写化もされています。
父が遺した“化身忍者の術”を悪用する血車魔神斎の一党を排除するため、みずからもタカの化身忍者として戦うハヤテの物語。『佐武と市捕物控』などの時代劇マンガで見られる、渋くリアルな、そして実験的ですらある描写の数々は、今でも斬新。ちなみに本作のラストは、あの『スター・ウォーズ』の展開の元ネタになったのでは……という、真偽不明の噂が流れたことがあったり。
現在WEBコミックで展開中のリメイク『変身忍者嵐 SHADOW STORM』も、第2巻が好評発売中です。
『BRAVE10』霜月かいり
『BRAVE10』第1巻
霜月かいり KADOKAWA 590+税
人々に愛される忍者たち「真田十勇士」を題材とした作品。関ヶ原の戦いの約1年前、伊賀の忍者・霧隠才蔵は、刺客に追われる巫女・伊佐那海と出会う。襲ってくる刺客たちを嫌々ながらも鮮やかに瞬殺するその強さに感激した伊佐那海にせがまれ、才蔵は信州上田まで、彼女の護衛を引き受けることに……。
2006年より「コミックフラッパー」で連載を開始し、2011年からは「月刊コミックジーン」にて『BRAVE10 S』とタイトルを変え、今なお連載中。2012年にはアニメ化もされた人気作です。
『忍者ハットリくん』藤子不二雄A
藤子不二雄Aランド『新編集 忍者ハットリくん』第1巻
藤子不二雄A 復刊ドットコム 790+税
伊賀の里から山を越え谷を越え東京にやってきた、すご腕の少年忍者・ハットリカンゾウは、三葉ケン一少年の家に居候することに。ハットリくんと仲間たちが巻き起こす騒動、そしてケン一との友情が描れます。
いわずとしれた巨匠・藤子A先生の代表作! ライバルの甲賀忍者・ケムマキケムゾウや、弟のシンゾウに忍者犬・獅子丸、そして忍者怪獣ジッポウなど、個性的なキャラクターたちは、やっぱりいつ見ても楽しい!
『シノビライフ』こなみ詔子
『シノビライフ』第1巻
こなみ詔子 秋田書店 419+税
女子高生・藤原紅は、「景虎」と名乗る青年と出会う。景虎はタイムスリップで現代の世界に迷いこんだ忍者で、彼は紅を「姫」と信じ、彼女を守ることを誓う。
「月刊プリンセス」に6年にわたり掲載されたロングヒット作で、忠誠を尽くす忍者と主人公の恋愛模様を描いた本作、設定は突飛かもしれませんが、「正統派の少女マンガ」といえるでしょう。
『おきらく忍伝ハンゾー』山中あきら
『おきらく忍伝ハンゾー』第1巻
山中あきら 復刊ドットコム 1,900+税
「おきらくらくしょ~いってみよ~」が決めゼリフの、おきらくな少年忍者・ハンゾーの活躍を描きます。ジャンルは「痛快時代考証無視娯楽活劇」とのことで、ある意味で空知英秋『銀魂』の要素を先取りした作品といえるかも!?
1990年代後半の「コミックボンボン」黄金期に連載され、コアな人気を誇った本作、長い間絶版だったのが近年復刻。基本はギャグマンガですが、シリアス展開の配分も絶妙な傑作です。
現在、続編の『おきらく忍伝ハンゾーR』が刊行中!
『ミュータントタートルズ大全』アンドリュー・ファラゴ(著)中沢俊介(訳)
『ミュータントタートルズ大全』
アンドリュー・ファラゴ(著)中沢俊介(訳)小学館集英社プロダクション 3,000+税
日本ではアニメ作品が有名なアメコミ『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』シリーズの解説本。
マンガではないのですが、その原典であるコミックから最新作まで、『タートルズ』各作品の系譜が詳細に記述され、製作者インタビューなども掲載されている貴重な資料となっています。
現在、最新実写映画『ミュータント・タートルズ』も絶賛公開中! 映画鑑賞のおともにどうぞ。
あの個性派作家の作品にも忍者の影が!? オススメ「忍者マンガ」番外編
『黒船』黒田硫黄
『黒船』
黒田硫黄 イースト・プレス 1,200+税
コアなファンから絶大な人気を誇る漫画家・黒田硫黄の短編集。
本作に収録されている「海に行く」という短編には、主人公が古本屋で『ザ・先生ション!』という、すごいタイトルのマンガを手に取って、「読まないほうが面白い漫画もある」と考える印象的なシーンがあります。
じつはこの『ザ・先生ション!』、現在も活躍するベテラン漫画家・ひたか良による実在の作品で、第1巻のサブタイトルは「型破り教師がやってきた?の巻」、そして第2巻のサブタイトルは「その正体は忍者!の巻」と、なんと驚きの忍者マンガなのでした……!
「海に行く」は、電車に乗った主人公の、流れていく民家の屋根の上を忍者の影が飛んでいく……という夢想で終わります。古本屋にも車窓からの風景にも、私たちの日常のなかには、いつも忍者がひそんでいるのです!! きっと!