『このマンガがすごい!』編集部が主催する、「すごい!マンガ」を見つけるためのマンガ新人賞「『このマンガがすごい!』大賞」!
第6回となった今回は、今までにない多数のジャンルの作品の応募が寄せられ、最終選考は、審査員および編集部スタッフは例年以上に議論を重ねることとなりました。
最終選考に残った4作品のなかから、本年度の受賞作品が決定。この場をもって、発表させていただきます。
最優秀賞
相澤亮『雪ノ女』
(※応募時タイトル「雪女」ほか)
第6回「『このマンガがすごい!』大賞」は、相澤亮氏の応募作品「雪女」「トランジト」のなかから、「雪女」が最優秀賞を受賞。
受賞作は『雪ノ女』と改題のうえ、加筆修正・再構成して単行本として発売いたします。
STORY
ある雪の晩、自衛隊に所属する酒井は、雪山で遭難してしまう。酒井は意識が朦朧とするなか、白く美しい女性が近づいてくるのを感じる。その女性とある約束を交わす酒井。しばらくして、雨の中、道に座り込んでいる女性を助ける。その女性の顔を、あの雪の夜に会った女性に似ていて……。
作品講評
夜の山の暗さ、降りしきる雪の白……そのコントラストは不思議とやさしく、ふかふかとした雪が温かく見えてしまうやわらかさを湛えている。独特の肌合いを感じさせるモノクロ世界の描写力には図抜けたものがある。
本作は、小泉八雲の『雪女』を原作とし、ストーリーにアレンジを加えて描かれたものである。恋物語の結末ははかないが、このマンガでは原作にはない後日譚が加えられている。異界の者との恋が残した新たな生の存在によって、晴れ晴れとした読後感を残すことに成功している。
<「『このマンガがすごい!』大賞」審査員・粟生こずえ>
最終選考通過作品
今回、一次選考を通過した16作品のなかから、相澤亮氏による応募作のほか、下記の3作品が最終選考まで残りました。
- まほむらん『ミニッツセカンドアラウンド』
- 白黒『ニセ黒男子』
- 森新『カワイイオトコじゃダメですか?』
編集部にて議論を重ねた結果、上記3作品は惜しくも選外となりました。
第6回「『このマンガがすごい!』大賞」総評
まずは、第6回「『このマンガがすごい!』大賞」応募者のみなさまに、心よりお礼を申し上げます。
本年度は、学園コメディ、ショートオムニバス、BLなど、様々なジャンルの応募作が寄せられました。また、例年以上にWEBに掲載中の作品の応募が多かったのも、印象的です。
とくに最終選考まで残った4作品は、「マンガ」という表現方法のなかで、各々の世界観をうまく伝えられていると感じました。
そのなかでも、特に高い画力とストーリー構想、今後への期待値が高かった作品が、今回「最優秀賞」を受賞した、相澤亮氏の長編「雪女」でした。
最優秀賞を受賞した「雪女」は、応募時から大幅な加筆・修正、および内容の再構成を加えたうえで、2015年12月10日(木)に、単行本『雪ノ女』として刊行します。
現在絶賛、予約受付中です。
また、『このマンガがすごい!WEB』上では、『雪ノ女』の作品紹介や、著者である相澤亮氏への受賞記念インタビュー記事をアップいたします。さらに、作品本編の一部を「試し読み」として公開もする予定です。
なお、現在第7回『このマンガがすごい!』大賞の原稿を絶賛募集中です。次世代のマンガ界を担うみなさまからのご応募を、心よりお待ちしております。
<『このマンガがすごい!』編集部>