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『ひとり暮らしの小学生 江の島の夏』(松下幸市朗)ロングレビュー! 天涯孤独の小学生に待ちうけていたのは……意外とほのぼの(!?)ビンボーライフ!

2016/05/28


話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!

今回紹介するのは『ひとり暮らしの小学生 江の島の夏』

『ひとり暮らしの小学生 江の島の夏』著者の松下幸市朗先生から、コメントをいただきました!

著者:松下幸市朗

この度は 『ひとり暮らしの小学生』をコミックスにしていただき、とてもうれしく思っております。

振り返ればこの作品は何年も前から私が描き上げたかった作品でした。
しかしながら、私の力不足もあり、当時は編集の方々からはよい評価を得ることができませんでした。
とは言え、その想いを捨てきれなかった私は、個人でKindleを通して発表することを決意し、描き上げたのが『ひとり暮らしの小学生』です。

結果的にはたくさんの方々に読んでいただけたうえ、このようにコミックスにまでしていただけました。
これは読者の皆様を初め、多くの方々のおかげだと思っております。
まことにありがとうございます。

今後も自問自答しながらも、よりよい作品ができるよう努力をしてまいります。
そして、たくさんの方々の心に何かを届けられればうれしく思います。

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『このマンガがすごい!comics ひとり暮らしの小学生 江の島の夏』
松下幸市朗 宝島社 ¥700+税
(2016年5月25日発売)


AmazonのKindleにて4コママンガ部門の1位を独走、話題になった『ひとり暮らしの小学生』がいよいよ書籍版として発売された。全コマ加筆修正を行い、読みごたえ充分だ。フルカラーの優しい色あいで描かれる小さな島の風景や、昔ながらの食堂の内装は懐かしく、電子版以上のあたたかみを感じる。

それは、ある小学校の先生の思い出話として語られる。

まだブラウン管テレビ全盛のさなか、白黒テレビもギリギリ存在する1980年代頃に、藤沢市湘南の観光地である江の島で暮らす、小学校4年生の女の子・鈴音リン。
天然気味だが、がんばり屋の彼女は両親の他界後、ひとりで裏道にある鈴音食堂を営んでいる。
ただし、料理の味は残念なものだ。
マンガの合間に差し挟まれる、ノートに書かれたリンの経済状況は苦しそうである。しかし、そこに書き留められたメモは前向きで思わずほっこりしてしまう。

ちょっぴりドジだけど、ひとりで食堂を切り盛りする鈴音リン。店内も身なりもみすぼらしいが、笑顔は元気いっぱい。

ちょっぴりドジだけど、ひとりで食堂を切り盛りする鈴音リン。店内も身なりもみすぼらしいが、笑顔は元気いっぱい。

涙ぐましい節約テクニックだけでなく、彼女なりに店を流行らせるアイディアも考えるが、まだまだ小学生なので少々ズレている。でも、うっかり(?)入って来る観光客や、常連さんに支えられどうにか生活できている、らしい。

単行本情報

  • 『このマンガがすごい!comics… Amazonで購入

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