話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
コミックス版『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』著者の大谷紀子先生から、
コメントをいただきました!
『このマンガがすごい! comics ぼくは明日、昨日のきみとデートする』第1巻
七月隆文(作) 大谷紀子(画) 宝島社 ¥640+税
(2016年7月11日発売)
ぼくが明日、デートするのは“昨日のきみ”。
「読み終わった瞬間、必ず読み返したくなるラブストーリー」と話題沸騰の七月隆文のベストセラー『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(通称『ぼく明日』)が、たしかな画力と構成力を誇る大谷紀子(『すくってごらん』、『おとむらいさん』)のペンでコミカライズ。
「このマンガがすごい!WEB」で第1話が公開されるやいなや原作ファンからも絶賛の嵐! 福士蒼汰と小松菜奈の主演で贈る実写映画も12月に公開が決定し、『ぼく明日』ブームは過熱する一方だ。そんななか、ついにコミックス第1巻がリリースされた。
舞台となるのは、2010年4月の京都。美大生の南山高寿(みなみやま・たかとし)は、いつも通学に使っている京阪本線の車内で、たまたま目の前に立っていた美しい女性にハートを撃ちぬかれる。出町柳で叡山電車に乗り換え、宝ヶ池で降りた彼女を思わず追いかけ、「ひと目惚れしました」と打ち明ける高寿。
ふだんはこんなふうに大胆なナンパをするタイプではないのだが、告白せずにはいられない、運命のようなものを感じたのだ。
下手をすればストーカー扱いされかねない行動だったが、彼女は嫌な顔を見せずにほほえんでくれた。2人は宝ヶ池を散策しながら自己紹介モードへ。
彼女の名前は福寿愛美(ふくじゅ・えみ)。美容師の専門学校へ通っているという。
高寿が「また会える?」と聞いたとたん、大粒の涙があふれる愛美。この時点では読者も高寿も、何が起こったのか知るよしもない。