第4位(62ポイント)
『セブンティウイザン』 タイム涼介
『セブンティウイザン』
タイム涼介 新潮社
65歳定年退職を迎えた江月朝一(あさいち)は、老後は妻・夕子とゆっくり温泉旅行でもしながら余生を穏やかにすごそうと考えつつ帰宅したところ、衝撃の事実を告げられる。
このところ体調不良大を訴え学病院で精密検査を受けた夕子が、70歳で妊娠3カ月だというのだ。驚き呆れる朝一だったが、彼女は産むつもりでゆるがない。
人生も終わりを迎えようとしている時期に降ってわいた妊娠話に右往左往する朝一のこっけいさに笑いながらも、戸惑いつつも新しい命を迎える老夫婦の姿には、心にグッとくるものがあります。
オススメボイス!
■ファンタジーな設定、かわいい絵柄、だけど一つひとつの描写がとんでもなく重くてリアル。ご主人がタバコをやめる回は、特にグッときました(ササナミ/ブログ「雑食商店街3373番地」管理人兼書店員)
■めっちゃ笑わされて、めっちゃ泣かされる! タイム涼介ずるい!(太田和成/あゆみBOOKS五反田店 コミック担当)
■死を意識する年齢となった2人に、突如訪れる新しい命の光。老若男女問わず、あらゆる世代に響く必読の人間賛歌(奈良崎コロスケ/博奕・マンガ・映画の3本立てライター)
第5位(60ポイント)
『潜熱』 野田彩子
『潜熱』
野田彩子 小学館
コンビニでバイトする女子大生・岡崎瑠璃(おかざき・るり)は、いつも6ミリのタバコ2箱を買っていく男のことが気になっていた。
ある雨の日、瑠璃はその男――逆瀬川(ノセガワ)の車に同乗させてもらうが……。
暴力のニオイがする危険な男と普通の女子大生が出会ったことから始まるキケンな恋愛。でも、キケンなものほど人は惹かれてしまうもの、なんですよね!
オススメボイス!
■ヤクザ×女子大生の危険な恋愛もの。甘ったるい純愛とはまた違うリスキーな恋は見ていてハラハラとしました。心理描写もよく、空気感が伝わってくる。この2人の先を見たくなる作品でした(麻野昌三/わんだ~らんどなんば店店長)
■なぜ女性は危ない男にひかれてしまうのか? その答えはこの作品にあります。この主人公、目で語っていていいですね。えっ、読んでもわからなかった? もう一度読むのです(早川博志/恭文堂コミッククラフト店)
第6位(56ポイント)
『球場三食』 渡辺保裕
『球場三食』
渡辺保裕 講談社
主人公・日下(くさか)は、プロ野球12球団のファンクラブに入り、全国のスタジアムをわたり歩く、いわば“さすらいの観戦人”。
野球場をすみかに、観戦の日は朝食から三色すべてを球場でとるというこだわりをもつ日下は、プロ野球のマニアックな楽しみ方とともに、とっておきの球場グルメを紹介する。
野球×グルメという男子の大好きなテーマを2つも盛りこんだぜいたくなマンガ。
現在WBCで盛り上がっているプロ野球ですが、開幕もまもなく。本書を片手に球場めぐりはいかが?
オススメボイス!
■野球観戦の日には、3食を必ず球場で調達する男を主人公にした、B級グルメ×野球という新機軸のマンガ。本作でスポットライトがあてられているのは、野球の試合ではなく、野球場の様子。神宮球場から東京ドームに今は亡き藤井寺球場まで、日本の様々な球場を舞台に、その球場ならではの見どころやおすすめの食べ物などを多彩なトリビアを交えて紹介するという、かなりシブい内容だが、野球ファンにはぜひ読んでほしい。球春到来ということで、球場に応援に行く際のお供にもどうぞ(犬紳士/養蜂家)
■『ドカコック』渡辺先生の新作。グルメマンガというより、とにかく野球への熱量がすごくて、興味がなくてもぐいぐい読ませます(梅本ゆうこ/ブログ「マンガ食堂」管理人)