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7月10日は「納豆の日」『もやしもん』を読もう!【きょうのマンガ】

2017/07/10


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが 「きょうのマンガ」です。

7月10日は納豆の日。本日読むべきマンガは……。


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『もやしもん』 第3巻
石川雅之 講談社 ¥533+税


7月10日は「7(なっ)10(とお)」の語呂合わせで「納豆の日」。
関西納豆工業協同組合が関西圏での納豆の消費拡大を目的に、1981年に関西地域限定の記念日として制定。
その後、全国納豆協同組合連合会が1992年にあらためて全国区の記念日として制定した。
ちなみに都道府県別で納豆の消費量がもっとも少ないのは和歌山県。大阪府もイメージに違わず毎年消費量は低い。
関西納豆工業協同組合が気にかけるのもむべなるかな、なのだ。
逆に生産量がもっとも多いのは茨城県、消費量がもっとも多いのは福島県となっている(へー)。

そんな「納豆の日」にふさわしいマンガといえば、『もやしもん』を置いてほかにない!

『もやしもん』は2004年から「イブニング」誌上で連載された作品。
『もやしもん』のもやしは野菜のもやしではなく、種麹のこと。
種麹屋の跡継ぎで東京の農大に進学した沢木直保(さわき・ただやす)を主人公に、樹研究室に集う面々の間で繰り広げられる 「とにかく発酵、発酵。ときどき腐敗。また発酵。」みたいな騒動を描いた物語だ。

直保は子どもの頃からなぜか“菌”を肉眼で見ることができる体質(?)。
目には見えない菌類をキャラクター化したのが『もやしもん』の偉大なところで、デフォルメされた菌やウイルスはじつにかわいい。
また、醸造に失敗した密造酒の樽から大量に大放出されたヒオチ(火落ち菌)や、全身に菌をまとい人の姿が見えない日吉酒店のご隠居など大量の菌類のビジュアルはインパクトも強く、見えない存在を見えるように描き出すのもマンガが持つディフォルメの力のひとつだと実感できるのだ。

納豆をテーマにしたエピソードは、単行本第3巻に収録された「納豆食う関西人とツッコむ帰国子女」だ。
日本酒、醤油、味噌、酢、漬けもの、かつおぶしと日本は発酵食品だらけだが、納豆の登場は案外遅い。
これにはきちんと理由があって、納豆、かんきつ類、ヨーグルトは発酵蔵の菌に多大な影響を与えるためできるだけ摂取を控える必要があるのだとか(へー)。

家庭で手軽にできる納豆の手づくりの方法、納豆の歴史の古さ、アジアには納豆の仲間が多いこと、水質改善に納豆菌が劇的な効果をもたらすこと、納豆樹脂による砂漠の緑化などなど、納豆に関する知識と納豆が切り開く未来が語られる。
樹研究室主幹の樹教授は惑星のテラフォーミングを考えるような壮大な展望を抱いているのだが、納豆をつくる菌バチルス・ナットウは純日本産テラフォーム効果をもたらす貴重な存在だと力説するのだ。

このほか第3巻では完成した発酵蔵での酒仕込みが本格的に始まったり、みんなでシュールストレミングを食べたり、沖縄の亜熱帯農場の実習からの流れで200年ものの泡盛を探しに行ったりと、専門課程が定まり知を追求する大学生活は楽しそうだなー、とうらやましく思えてくる。美女も多いしね。
「納豆の日」には、食欲も知識欲も刺激してくれる『もやしもん』を読もう!



<文・秋山哲茂>
フリーの編集・ライター。怪獣とマンガとSF好き。主な著書に『ウルトラ博物館』『ドラえもん深読みガイド』(小学館)、『藤子・F・不二雄キャラクターズ Fグッズ大行進!』(徳間書店)など。 学年誌の傑作ウルトラ記事を集めた新刊『学年誌 ウルトラ伝説』が発売中!4コマ雑誌を読みながら風呂につかるのが喜びのチャンピオン紳士(見習い)。

単行本情報

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