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『モーターサイクルメモリーズ』 せきはん 【日刊マンガガイド】

2017/07/15


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『モーターサイクルメモリーズ』

  
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『モーターサイクルメモリーズ』
せきはん アース・スター エンターテイメント ¥700+税
(2017年6月12日発売)


『恋ヶ窪★ワークス』『のーどうでいず』のせきはん=大森しんやが「ミスター・バイク」に掲載していた、バイクマンガの短編集。
秋には作品集第2弾の発売もすでに決まっている。
収録作品の一部は『恋ヶ窪★ワークスLTD+大森しんや短編集』と重複しているので、注意。

この作品集で一番古いのは、1993年の「夏のサクラ」。
海沿いの町・白浜を舞台とした、バイクでツーリングしてきた青年と女の子、その弟のラブコメディ。
「バイクのイカした感じ」と「ヤンキー・レディース感」がにじむ青春グラフティだ。

同93年「8インチの冒険」は、少年が初めて買った中古のバイクが、動かなくなったところを謎の老人に修理してもらう作品。
50ccのホンダ・モンキー発売終了にあわせて描かれた作品で、老人がぽつりと「ええバイクじゃ」というシーンはグッと来るものがある。

新しい作品だと2007年くらいのものまで収録されている。
この作品集では、時代が変わっても、バイクへの向き合い方はいっさい変わっていない。
管理は面倒。だけれども走ること自体が好き。走った先で見る、なんでもない景色が好き。その先で人と出会うのが好き。

「ゼロヨン島」では、お祭りで毎年、となりの島の車と競うため、バイクを走らせる。
たった一瞬のレースのために、全力でチューニングを施す。
「SLOW RIDE GrassHopper」シリーズでは、男性と子どもがものすごくゆっくりと田舎道を走り、新しいことを発見していく。
バイクに触れた時に見える世界は、なんだかおもしろくて、ちょっぴりノスタルジックだ。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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