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2月8日は「ホテルニュージャパン火災」が起こった日 『コミック版 実録!闇の支配者 首領』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/02/08


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

2月8日は「ホテルニュージャパン火災」が起こった日。本日読むべきマンガは……。


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『コミック版 実録!闇の支配者 首領(ドン)』
大下英治(作) 田辺節雄、宮前めぐる、殿塚実、たかや健二(画) 大和書房 ¥648+税


1982年(昭和57年)2月8日午前3時24分、東京都千代田区永田町にあるホテルニュージャパン9階938号室の客の寝タバコを原因とする火災が発生した。
12時36分に鎮火するまでおよそ9時間にわたった都心の業火は宿泊客442人のうち死者33名、負傷者34名を出す未曾有の大惨事となった。

一般家屋よりも人員・設備両面において防火対策は完備しているはずのホテル火災をここまで悪化させた原因は、当時のオーナー兼社長・横井英樹の安全性を軽視したずさんな経営にあるとされる。
事件当日の朝、現場に蝶ネクタイ&スーツといういでたちで現われ、拡声器ごしに「早朝よりお集まりいただきありがとうございます」「発生階周辺で火災を止められたのは不幸中の幸い」と言ってのけた横井には非難が集中、今度は横井自身が「炎上」してしまった。

そんな横井英樹は戦後の暗黒とその後の急成長を生きぬいた昭和を代表する実業家……いや、“乗っ取り屋”と呼ぶべきか。
企業の株を敵対的M&A(合併・買収)で買いしめ、さらに高値でほかに売るという手法で彼はホテルニュージャパンをはじめ多くの企業を食いものにしてきた。

そんな横井が「ロッキード事件」で広く名を知られたもうひとりの昭和の梟雄・小佐野賢治と箱根の老舗「富士屋ホテル」をめぐって展開した熾烈な乗っとり合戦を描いたマンガが『コミック版 実録!闇の支配者 首領(ドン)』所収の「第2章 暗闇!乗っ取り屋VS黒幕」である。

『コミック版 実録!闇の支配者』シリーズは、作家・大下英治の人気ルポ『昭和 闇の支配者』シリーズを原作とする短編集で、戦後を中心に昭和時代を象徴する政争や企業闘争、さらには組織暴力間の抗争などを「VS」形式でマンガ化したものだ。

「乗っ取り屋VS黒幕」では、横井と小佐野の人脈と資金力にものをいわせる壮絶なパワーゲームが展開。
最終的に小佐野に株を譲ることになった横井が、負けた腹いせに株券と引き換えの4億2400万円を1枚1枚数え始めるくだりには、戦いの愚かさをとおりこして思わず笑えてくるほどだ。

乾燥が続くこの季節、読者諸兄にも火事には充分注意していただきつつ、古きよき昭和の狂騒をマンガでお楽しみいただきたい。



<文・富士見大>
編集・ライター。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)ほかに参加する。「仮面ライダードライブ公式完全読本」間もなく発売の「東映ヒーローMAX」もやってます。

単行本情報

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