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『神様のバレー』第5巻 渡辺ツルヤ(作) 西崎泰正(画) 【日刊マンガガイド】

2014/10/01


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『神様のバレー』第5巻
渡辺ツルヤ(作) 西崎泰正(画) 芳文社 \590+税
(2014年9月16日発売)


バレーボールの試合中、タブレットを片手に指示を出す監督の姿が見られるようになったのはわりに最近のこと。といってもこれはパソコンの普及に伴う光景で、昔は“紙”で情報分析をやっていたわけなのだが。
バレーは試合中、外部からの情報伝達が許されている。専属アナリストが対戦相手の分析結果をベンチの監督に送り、それに応じて作戦をとるのは現代バレーでは当たり前。もちろん試合以外の場でも、チームを支えるアナリストの力は重要視されているのだ。

本作の主人公・阿月総一は実業団チームを連覇に導いたアナリスト。いずれは国際舞台で活躍したいという野望を持っている。
そんな阿月は「万年1回戦敗退の進学校を全国制覇させることができたら、全日本男子バレーチームの監督の椅子を用意する」との誘いに乗って、中学バレー部のコーチに就任する。
選手それぞれの資質や性格も把握した上でのユニークな指導、情報収集と分析から一点突破の戦術を編み出し、弱小チームを勝利に導いていく。最新5巻では、いよいよ秋の新人戦・県大会決勝へ!

阿月を評するならば、まさに悪魔のような男。
先の先まで読み、裏の裏をかき、格上の相手ががっくりとコートに崩れ落ちる姿をせせら笑う、いや~な性格の存在感も抜群だ。

阿月の中学時代のエピソードも開示されはじめ、ドラマはより深みを増す。なにしろ、たまたま阿月と同期だった相手校の監督が、阿月の姿を認めるや中学時代のトラウマにガタガタ震え出す。
今に至るまでの阿月のバレー人生に興味津々、おもしろさ加速中の注目作だ。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」

単行本情報

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