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『インディゴの夜』第3巻 加藤実秋(作) 白木苺(画) 中村朝(構成) 【日刊マンガガイド】

2015/10/30


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『インディゴの夜』


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『インディゴの夜』第3巻
加藤実秋(作) 白木苺(画) 中村朝(構成) スクウェア・エニックス ¥562+税
(2015年9月25日発売)


渋谷にある、ちょっと変わったホストクラブ“club indigo”。
フリーライターの高原晶が「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」と思い立って、編集者の塩谷と共同経営で始めたものだ。
アフロヘアのジョン太、クールな知性派の犬マン、総合格闘技選手でもあるアレックス、金髪でマッシュルームカットのDJ本気(マジ)――といった個性派ホストをまとめるのは謎めいた雰囲気を持つマネージャー・憂夜だ。

こうしたメンバーが晶を中心に、渋谷の街を駆け回ってトラブルシューティングをしていくというのが『インディゴの夜』シリーズで、第3巻では頭に黒いエコバッグをかぶった「エコ女」の呪いがclub indigoのホストたちに降りかかって……という都市伝説的な謎に挑む。

ちょっとここで、作品の順番の話をしておこう。本作の原作はミステリ作家・加藤実秋の人気シリーズ。小説は、次の6冊が集英社文庫から刊行されている(5は長編でそれ以外はすべて短編集)。
 1. インディゴの夜
 2. チョコレートビースト
 3. ホワイトクロウ
 4. Dカラーバケーション
 5. ブラックスローン
 6. ロケットスカイ

マンガ版第1巻、第2巻では「インディゴの夜」、「センター街NPボーイズ」、「原色の娘」と原作小説第1巻に収録された短編をマンガ化してきたのだが、第3巻の「エコ女」のエピソードは、原作小説第4巻に収録された「7days活劇(セブンデイズロンパーズ)」をもとにしている。
一挙に時間が飛んだわけだが、それは4から登場する個人主義の若手ホスト・手塚くんを早い段階で登場させたかったからだろう(3巻のカバーで、メガネのブリッジを押し上げているのが手塚くんだ)。

手塚くんが登場したので、そのまま4以降の作品へと進んでいくのかと思いきや「7days活劇」の次は「チョコレートビースト」となり、原作どおりの流れに回帰していく。
いったん未来に飛んで、手塚くんたちをメンバーに加えたところで、物語は通常の流れに戻ってきたわけだ。新メンバーが加わった状態で、中村朝×白木苺が原作をどのように料理をしていくのかが楽しみである。

ところで、5月に刊行された原作の最新巻『ロケットスカイ』の作中ではclub indigoには大きな変化が訪れるので、気になった方はぜひご一読を。
この『ロケットスカイ』の巻末には、コミカライズを手がける中村朝×白木苺と小説の表紙を担当するコースケとのコラボマンガが掲載されている(また中村、白木がそれぞれメッセージを寄せている)。

こうしたマンガと小説の相互乗り入れみたいな動きは、それぞれが相手をリスペクトしている気持ちが伝わってすごくいい。ほかのコミカライズものでも、どんどんやってほしい試みである。



<文・廣澤吉泰>
ミステリマンガ研究家。「ミステリマガジン」(早川書房)にてミステリコミック評担当(隔月)。『本格ミステリベスト10』(原書房)にてミステリコミックの年間レビューを担当。最近では「名探偵コナンMOOK 探偵少女」(小学館)にコラムを執筆。

単行本情報

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