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『盤上の詰みと罰』第2巻 松本渚 【日刊マンガガイド】

2015/12/12


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『盤上の詰みと罰』


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『盤上の詰みと罰』第2巻
松本渚 双葉社 ¥600+税
(2015年11月12日発売)


女流六冠を達成しながら、1カ月ごとに記憶を失うという病に冒され、引退を余儀なくされた元女流棋士、霧島都。
5年後、22歳になった彼女は、いまだ17歳の心をもったまま、記憶障害の原因である、5年前の最後の対局相手を探すため、全国を旅する日々を送っている……。

81マスの抽象化された世界に、人生のすべてを懸けて、あるいはすべてを捨てて挑む棋士たち……羽海野チカの大ヒット作『3月のライオン』をはじめ、近年、すっかり人気ジャンルになった感のある将棋マンガ。
そこに新たな名作として刻まれそうなタイトルが本作『盤上の詰みと罰』である。

記憶すること――時間と未来を将棋に奪われ、永遠に17歳の1カ月を繰り返し、けれども、それでも……あるいは、だからこそ、まるで盤上に世界のすべてがあると言わんばかりに、わずかな時間のすべてを将棋に捧げようとする少女の物語だ。

旅先での様々な人々との対局が描く本作の将棋観は、「駒を通じての個性と個性とがぶつかりあう対話である」というもの。
では、彼女が記憶を失うこととなった「対話」の相手とは誰だったのか、そこで彼女はだれとぶつかり、何を語りあったのか……。
完結巻であるこの第2巻で描かれる真相は、掲載誌の休刊というアクシデントの影響をまるで感じさせないみごとなものだった。

一見するとダジャレのようなタイトルの真の意味を、どうか知っていただきたい。



<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas

単行本情報

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