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『comic S 早川書房創立70周年記念コミックアンソロジー★SF篇』 早川書房編集部(編) 【日刊マンガガイド】

2016/02/18


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『comic S 早川書房創立70周年記念コミックアンソロジー★SF篇』


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『comic S 早川書房創立70周年記念コミックアンソロジー★SF篇』
早川書房編集部(編) 早川書房 ¥1,500+税
(2016年1月22日発売)


早川書房といえば、現在日本で唯一のSF専門誌「S-Fマガジン」の発行元であり、長年このジャンルを支えてきた柱のような存在だ。
本作は、早川書房の創立70周年を記念し、過去の「S-Fマガジン」に掲載された作品と描きおろしのSF作品を編んだコミックアンソロジー。

前半の「レジェンド篇」は手塚治虫、松本零士、石森章太郎、萩尾望都……と「S-Fマガジン」の歴史を感じさせる巨匠、大御所の名前がずらり。
各作品とも20ページに満たない短かさながら、いずれも独自の世界が確立され、いまだに古びないすごみがある。
どれかひとつを選べと言われても無理な話だが、あえて挙げるなら、地球が迎える審判の日を凝縮した1971年2月号掲載の手塚治虫「熟れた星」。まるで大長編を読んだかのような感慨を覚えた。

過去作ばかりではなく、その先も見すえているのがSFらしい。後半は「マスターピース篇」として、奇才や新鋭による描きおろしが並ぶ。
吾妻ひでおの「水人」を皮切りに、今井哲也の「おじいちゃんの書斎/宇宙」、ツナミノユウ「眼鏡を買いに」、宮崎夏次系の「と、ある日の僕のひも」……。
シュールに狂気、ノスタルジーから萌えまで、思考と感情の鳴動が止まらない。

時代もテーマも超えて、SFという旗のもとに集った作品たち。
SFの懐の広さと無限の可能性を感じた。

『comic M 早川書房創立70周年記念コミックアンソロジー★ミステリ篇』の日刊マンガガイドはコチラから!



<文・卯月鮎>
書評家・ゲームコラムニスト。週刊誌や専門誌で書評、ゲーム紹介記事を手掛ける。現在は「S-Fマガジン」(早川書房)でファンタジー時評、「かつくら」でライトノベル時評を連載中。
The Differencee Engine

単行本情報

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