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『コロコロ創刊伝説』第1巻 のむらしんぼ 【日刊マンガガイド】

2016/04/12


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『コロコロ創刊伝説』


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『コロコロ創刊伝説』第1巻
のむらしんぼ 小学館 ¥583+税
(2016年3月15日発売)


かつては中学受験バトルマンガ『とどろけ!一番』や、アニメ化もされたセコいハゲ丸少年の4コマギャグ『つるピカハゲ丸』などのヒット作を持ち、売れっ子漫画家だった、のむらしんぼ。
還暦を迎えた現在は、熟年離婚、さらに借金を抱え仕事も激減とショッキングな事実を打ち明ける。

黄金の日々をともにしたのは、児童向けマンガ誌の代表格である「コロコロコミック」である。
初代編集長の千葉和治氏の訃報を聞き、大人版の「コロコロアニキ」にて、創刊時のエピソードを描くことに。

のむらしんぼ流「まんが道」、また「あの人は今」であり、マンガ雑誌創刊の打ち明け話とあれば、おもしろくなる予感しかない!

時は1977年、千葉氏と平山隆氏(のちにのむらしんぼの初代担当、編集長にもなる)は、逆風のなか、たったふたりで児童マンガ誌の作家探しに奔走する。
当時大学生だった、のむらしんぼは平山氏に声をかけられ、デビューを目指すことに。初仕事は『ウルトラ兄弟物語』の手伝いだった。

子どもに「コロコロ」と七転び八起きできる精神を願い、編集サイドは「石コロ」のような作家を磨いてダイヤモンドにしよう、とは、なんとも絶妙な誌名だ。
実際にゲームをしまくったすがやみつるの『ゲームセンターあらし』や、学習塾を取材してカルチャーショックを受けた『とどろけ!一番』誕生秘話も激アツ。
回顧しつつペンを握る先生の姿は、『とどろけ!一番』の轟一番が四菱ハイユニを操るがごとく!

『島耕作』シリーズの弘兼憲史が師匠というのも意外なつながりだ。
それにしても、藤子・F・不二雄先生って、どうしてだれが語っても「人格者」なのだろうか……。

漫画家同士の、家族以上のあたたかな交流と、児童向けだからこそ厳しい作品づくりは読みごたえ抜群だ。
これからも、あの頃子どもたちのハートを直撃した数々の作品の誕生秘話や裏話が期待されるが、やはりのむら先生には借金を早く返していただき、明るい「実録・アラ還“つるセコ”ライフ」も描いてほしい。

さあ、まずは第1巻をどんどん買おうぜ!



<文・和智永 妙>
「このマンガがすごい!」本誌やほかWeb記事などを手がけるライター、たまに編集ですが、しばらくは地方創生にかかわる家族に従い、伊豆修善寺での男児育てに時間を割いております。

単行本情報

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