365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
2月27日は『ポケットモンスター赤・緑』の発売日。本日読むべきマンガは……。
『ポケットモンスターSPECIAL』第1巻
日下秀憲(脚) 真斗(画) 小学館 ¥524+税
今ではほとんど知らない人のいない『ポケットモンスター』、通称「ポケモン」。
その始まりは1996年2月27日。
ちょうど20年前の今日、ゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター赤・緑』が発売された。
そしてまたたく間に子どもたちの間でブームとなり、シリーズは現在もなお絶大な人気を誇っている。
今日ご紹介するのは、このポケモンシリーズのコミカライズである『ポケットモンスターSPECIAL』。
第1巻はちょうど「赤・緑・青編」の冒頭にあたり、基本中の基本ともいえるなじみ深いポケモンたちが次々と登場してくる。
主人公の名はレッド。マサラタウンに住む少年だ。
町では名高いポケモントレーナーだが、ある日、黒ずくめの謎の男たちと出会う。
彼らはどうやら“幻のポケモン”を探しているらしい。
がぜん興味を持ったレッドは、彼らより先回りすべく西の森へと向かう。
そこには光り輝く謎のポケモンと、ヒトカゲを使う見知らぬ少年がいた――。
ゲームをプレイした人にはおなじみとも言えるストーリーだが、ここにはコミカライズによる新たな魅力が加わっている。
ゲームではできないバトルのかけひきに加え、ちょっとした小ネタも盛りこまれていて、ポケモンファンにはとてもうれしい内容だ。
が、それだけにはとどまらない。
マンガは「止め絵」の美学で、アニメやゲームのように動いて過ぎさるわけではないから、好きな場面を好きなだけじっくりと味わえるというメリットがある。
モンスターボールのなかにいるフシギダネの上目遣いや、レッドに心を開きかけたピカチュウの、あどけない顔つき。
ポケモンたちの魅力をしっかりと切りとったうえで、著者はみごとにそれを表現している。
だから読者は、彼らの個性的な動作や表情を、心ゆくまで眺め、堪能することができるのだ。
ますます、ポケモンたちに愛着がわいてくるだろう。
ゲーム未プレイの人には、手軽な入門編となってくれる本作。
せっかくの今日という日だから、まずはコミックスから、あらためて『ポケモン』のおもしろさを味わってみるのも一興ではないだろうか。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」