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【日刊マンガガイド】『流されて八丈島 おひとり島ぐらし7年め』 たかまつやよい

2014/07/20


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『流されて八丈島 おひとり島ぐらし7年め』
たかまつやよい ぶんか社 \800+税
(2014年7月5日発売)


東京なのにリゾート地でもある八丈島と聞いて、おそらく多くの人がイメージするのは自然と海で、ダイビング。
本作の作者も島在住のマンガ家として、ライセンスを取ろうとダイビングショップへ向かうと、お店の人は、「島の人でライセンス持ってる人は少ないよ……」。
なぜならば、「ライセンスがなくても島の人は気軽に泳ぎにいけるわけだし 取得にお金もかかるし むしろ島の人ほど持ってない!」とのことで……!?

そんな島の暮らしを描いたエッセイ4コマが、たかまつやよいの『流されて八丈島』で、本作はそのシリーズ4冊目だ。
作者のたかまつやよいは、原案とペン入れ・仕上げ担当の“たかまつ”と、ストーリーと下絵担当の“やよい”のユニット。独身女性で「オタクでマンガ家」なやよいが、突然思い立って始めた八丈島生活も、タイトルどおり7年目に。7年暮らしているから実感としてわかること、暮らしているのにまだまだ驚かされることが、ユーモラスに語られている。
いま、八丈島で賃貸の空き物件が少ないのは自身のマンガの効果かと期待したら、大きな公共事業があって借り上げられているせいだったり、お隣に八丈島暮らしを夢見る年配のご夫婦が引っ越してきたと思ったら、本当にこのシリーズの読者だったり!

4コマという読みやすさに加えて、絶対的な都会批判でも島賛美でもないニュートラルな視点が、本作の楽しさにも、あたたかさにもなっている。
「オタクでマンガ家」と島暮らしは、一見あいいれないものにも思えるが、物珍しいことが楽しめて、ツッコミを入れながら島の豊かさも不便さも受け止めることができるのは、「オタク」と「漫画家」という2つの属性を持つ作者ならではなのかもしれない。

本作では、駐在所のお巡りさんや、お寺の住職さんとの交流、島ならではのその仕事ぶりにも触れられていて、そちらも興味深いところ。
作者の語り口・切り口のうまさもあってか、リゾートでもあるけれど人間くさくて、不便さもあるけれど何もかも豊かで……そんな八丈島に行ってみたくなることうけ合い!!



<文・渡辺水央>
マンガ・映画・アニメライター。編集を務める映画誌「ぴあMovie Special 2014 Summer」が発売中。DVD&Blu-ray『一週間フレンズ。』ブックレットも手掛けています。

単行本情報

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