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8月18日は「米の日」 『COME!』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/08/18


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

8月18日は米の日。本日読むべきマンガは……。


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『COME!(コメ!)』 第1巻
日高トミ子(作) 松本タカ(画) 講談社 ¥514+税


8月18日は米の日である。
「米」を分解すると八十八になるから、という理由だそうだ。

とはいえ「米の日」はきょうだけではなく、8月8日や、毎月8のつくすべての日、など諸説ある。
米が日本人の主食で、毎日の生活に欠かせないものだということを考えれば、いくつ記念日があっても不思議ではないのだろう。

ともあれ、今日は「米」というものにまっこうから取り組んだマンガ『COME!』をご紹介したい。

農家に未来などない――そう考えて青森を出、東京で大学生活を送る20歳の青年、武藤恵(むとう・めぐみ)。
先輩にセッティングされた合コンで、恵はひとりの女性とめぐりあう。彼女は「こまち」という名で会員制クラブで働いていた。
秋田出身、実家は元農家。一度売ってしまった棚田を買い戻し、再び農業をするために東京で稼いでいるのだという。

そんなこまちに一目ぼれした恵。猛烈なアタックを開始し、なんとか話ができるまでになる。
一方恵の田舎では、ひどい冷害で今年の米はまったく収穫できず、惨憺たるありさま。
だが父は、恵にそのことを隠し、東京で大学生活を続けろという。
ついにそれを見かねた妹・瑞穂が、単身東京に出てきて――。

ストーリーが始まった段階では、一見普通のラブコメ。
だがこのマンガは「ニッポン稲作アドベンチャー」と銘打たれた作品。
本気で稲作のことを考えているこまちに惚れ、また運命に押し流されるように恵が農業に戻っていくにつれ、ストーリーはどんどんシビアに、本格的な稲作をめぐるドラマへと変貌していく。

恵をとり巻く状況は本当に厳しい。しかし、恵は夢を捨てない。
それはこまちの夢である、完全無農薬米を生産すること。
恵の家族を始め個性的な田舎の仲間たちに助けられ、彼はひたすら努力を続ける。
そして一歩一歩、新たな稲作への希望をつないでいく。

今日ご紹介しているのは第1巻だが、全4巻、ぜひ最後まで読み通していただきたい。
最終巻では、涙なくしては読めない感動のエンディングが待っている。

このマンガを一読すると、米と、それを生産する農家の方々への感謝の念がいっそう強くなることうけあいだ。
さて、きょうも食前には手を合わせ、おいしいご飯をいただきましょう。



<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」

単行本情報

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