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9月3日は染谷将太(俳優)の誕生日 『ヒミズ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/09/03


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

9月3日は染谷将太の誕生日。本日読むべきマンガは……。


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『講談社漫画文庫 ヒミズ』 第1巻
古谷実 講談社 ¥650+税


9月3日は俳優・染谷将太の誕生日。1992年生まれなので、今年(2016年)で24歳だ。
「えー、まだ24歳なの?」と驚いた方も多いのではないだろうか。それもそのはず、子役出身の染谷はすでに芸歴17年オーバー。
2015年の元旦には女優・菊地凜子との結婚を発表、第一子の誕生も間近と報じられている。

10代の頃から日本映画ファンからは実力派の若手と認知されていた染谷だが、お茶の間レベルまでその名が浸透したのは2012年公開の『ヒミズ』以降だろう。
鬼才・園子温監督が初めてマンガ原作を手がけたこの作品で主人公の住田祐一を演じた染谷は、そのみずみずしい演技でヒロイン・茶沢景子を演じた二階堂ふみとともに、「第68回ヴェネツィア国際映画祭」のマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を受賞。日本人が同賞を受賞したのは初めてという快挙だった。

てなわけできょうのマンガは、古谷実の『ヒミズ』。
2001年から2003年にかけて「ヤングマガジン」に連載された作品だ。デビュー作にしてメガヒット作となった『行け! 稲中卓球部』を筆頭に、『僕といっしょ』『グリーンヒル』とハイレベルなギャグマンガを連発してきた古谷が路線転換を明確にした重要作である。

だれにも迷惑をかけずに、ごく普通の生活を送ることを夢見る男子中学生が、取り返しのつかない事態を起こし、絶望を抱えながら迷走していく物語。
今読みかえしてみても、不穏な空気が漂いながらもギリギリで日常を成立させている序盤から、閉塞感がハジけ飛ぶ中盤、明るい兆しが見えても必ず絶望に引きずり戻される終盤に至るまで、完璧な構成にうならされる。
すでに15年前の作品ではあるが、キャラクター造形から背景に至るまで、いっさい古びていないことにも驚愕だ。

連載終了から10年近くの時を経て制作された映画版は、東日本大震災を経たことで園監督による大胆な改変が行われ、原作とは異なるラストが用意された。
これには賛否両論があったが、個人的にはとてもよかったと思う。あのラストがあったからこそ染谷・二階堂の快演が活きたことは間違いないし、ヴェネツィアの観客たちにも受けいれられたのだ。
もちろん、原作のラストが悪いというわけではない。気になる方は、ぜひ見比べていただきたい。

染谷は『ヒミズ』以降、マンガ原作の映画に引っ張りだことなり、『寄生獣』『みんな! エスパーだよ!』『バクマン。』など出演作品ごとにまったく違った表情を見せ、辛口の映画評論家陣からも高い評価を得ている。
奥さんのようにハリウッド進出も視野に入れていることだろう。これから30代、40代、50代と続いていく彼の役者人生がとても楽しみだ。



<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。今秋公開予定の内村光良監督『金メダル男』の劇場用プログラムに参加しております。

単行本情報

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